主演・市川染五郎。「こんなにも美しいものとは」と原作者も唸る20歳の春の姿は今だけ! 新作歌舞伎『木挽町のあだ討ち』を観に、4月の歌舞伎座へ
クレジット:撮影・文:クロワッサンオンライン編集部
話の舞台となる木挽町は現在の東銀座、歌舞伎座のご当地。市川染五郎さん演じる美しき若衆・伊納菊之助と芝居小屋に生きる人々の想いが交錯する物語です。
永井紗耶子さんはもともと大の歌舞伎好き。
「まさか自分が生きているうちに、作品が歌舞伎になるとは想像もしていませんでした」
原作の愛読者にも歌舞伎ファンが多く、舞台化が決まる前からSNSで”菊之助は染五郎さんに演じてほしい”という声が上がっていたとのこと。
「染五郎さんの役衣装のビジュアルを初めて見たときは、大変感動いたしました。自分も作中で菊之助について『大変美しい』と書いてはいたのですが、実際に拝見して、こんなにも美しいものかと……。もちろん染五郎さんのご活躍めざましい様子はこれまでもずっと拝見しておりましたので、『推し』に演じていただけて幸せなことこの上ありません」(永井さん)
それを受けて染五郎さんは、
「原作を拝読し、本当に劇中の一人一人が愛すべきキャラクターばかりで。これが歌舞伎の演出手法に落とし込まれて、また先輩方の身体を使って実体化したときにどんなすごいものができるのだろうとワクワクしています。本当に芝居っていいな、歌舞伎ってすごいなという熱さが籠った作品になりそうで、とても興奮しております。この熱さを共感していただけるように頑張ります」
1ヶ月、主演として座長を務めることについては、
「上演時間の中で菊之助の成長過程をしっかり見せられるようにしたいですし、公演のひと月の期間でいろいろなものを吸収して自分自身も成長したい。それがまた結果的に菊之助の成長として、お客さまに届けられたらと思います」
脚本・演出は齋藤雅文さん。
「運命と戦う菊之助という青年の姿は、僕の中では、染五郎さんが高麗屋の家に生まれたことによって戦わなければいけないこと、乗り越えなければいけないということと限りなく重なっています。またそれを見守る作品中の芝居小屋の人々も、現実の歌舞伎座の皆さんと重なるという、とても旬な面白い構造になっております。今観ないと損だぞ、という芝居かと思います」
染五郎さんとの仕事はこれで7作めになる。その成長ぶりについて
「もちろん目覚ましいスピードなんですけれど、他の方とちょっと違うのは、成長というより脱皮するっていう感じに近いんじゃないかと。ごめんね、虫みたいに(と染五郎さんに)。メタモルフォーゼというか、別のものに生態型が変わっていくようなスリルがあります。いい意味で裏切られる。今回も稽古やってて、あれ? 結構長い時間、一緒にいるんだけど、こうなるのか……とびっくりしたり、さらにまたちょっと、え? と思う。うわあなんか一皮むけるぞ、っていうか、今度はさなぎになるぞ、次はそのうち羽が生えるぞ、っていう予感がとても楽しくて。お客さまも新しい染五郎さんを見ることができますので、ぜひこの貴重な瞬間に立ち会っていただければと思います」(齋藤さん)
『四月大歌舞伎』は東京・歌舞伎座で4月25日(金)まで上演中。
公演詳細・チケットは以下よりどうぞ。
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