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京都から電車に揺られて伏見・宇治へ。お茶の魅力を再発見!

茶の湯文化で栄えた伏見から、京の銘茶の産地・宇治へ。「京都のお茶」文化に触れ、心落ち着く大人の時間を。

撮影・黒川ひろみ イラストレーション・網中いづる 文・中岡愛子

[墨染(すみぞめ)]椿堂茶舗

東福寺、伏見稲荷大社の御用達。オリジナルの和紅茶も人気。

左から「伏見」 80g入り 756円、「稲荷山」 70g入り 1,080円、「京都紅茶」 30g入り 648円。
左から「伏見」 80g入り 756円、「稲荷山」 70g入り 1,080円、「京都紅茶」 30g入り 648円。
右・茶房「竹聲」にて、上生菓子セット 宇治抹茶「千代の春」1,210円。  左・茶葉の美しさ、香りの高さは格別。
右・茶房「竹聲」にて、上生菓子セット 宇治抹茶「千代の春」1,210円。  左・茶葉の美しさ、香りの高さは格別。

旧街道沿いで一際佇まいのいい、明治12年創業の日本茶専門店。店内はお茶の香りが心地よく、看板商品のくきほうじ茶「伏見」のほか、やわらかな甘みのオリジナル「京都紅茶」と玉露入り煎茶「稲荷山」については、「藤井聡太王将が今年1月の王将戦で召し上がった」と店員の武村将史さんが説明してくれた。併設の茶房「竹聲(ちくせい)」では、上生菓子と6種から選べるお茶のセットが人気で、抹茶を贅沢に使った「茶の実」はお土産にも。

京都から電車に揺られて伏見・宇治へ。お茶の魅力を再発見!
京都から電車に揺られて伏見・宇治へ。お茶の魅力を再発見!

◆京都市伏見区深草北新町635 
TEL.075・644・1231 
営業時間:10時〜18時 日曜・祝日休 
※茶房「竹聲」は12時〜17時(LO16時30分)、水・日曜・祝日休 
京阪「墨染」駅から徒歩2分、JR「藤森」駅から徒歩10分。

[伏見桃山]総本家 駿河屋善右衛門 伏見本舗

お茶席に欠かせない「羊羹」と磨き抜かれた看板が目印。

「秀吉献上羊羹」1,944円。昔ながらの製法で、竹皮に包んで蒸しあげる。
「秀吉献上羊羹」1,944円。昔ながらの製法で、竹皮に包んで蒸しあげる。
京都から電車に揺られて伏見・宇治へ。お茶の魅力を再発見!
上生菓子各411円。
上生菓子各411円。

1461年創業。桃山時代に豊臣秀吉の大茶会の引き出物に使われたという「紅羊羹」を再現した「秀吉献上羊羹」のほか、江戸時代に5代目の岡本善右衛門が考案した「煉羊羹(ねりようかん)」は、この店が「現代の羊羹の発祥」といわれる背景を持つ。「〝蒸す〞から〝炊き上げる〞製法へ。

看板商品の「五代目善右衛門羊羹」は「煉」(右)と「大納言」の2種があり、各1棹1,674円。
看板商品の「五代目善右衛門羊羹」は「煉」(右)と「大納言」の2種があり、各1棹1,674円。

5代目が天草を、6代目が寒天を用いて完成させたと聞いています」と社長の岡本良太さん。徳川家に菓子を気に入られ紀州(和歌山)へ移った後も、創業地であるこの店は、地元の人に愛され続けている。

屋号に創業者の名前が。
屋号に創業者の名前が。

◆京都市伏見区京町3・190 
TEL.075・611・5141 
営業時間:9時〜18時 水曜休 
京阪「伏見桃山」駅、近鉄「桃山御陵前」駅から徒歩2分、JR「桃山」駅から徒歩8分。

[黄檗(おうばく)]黄檗宗大本山 萬福寺

煎茶を広めた開祖・隠元禅師と「普茶料理」。

京都から電車に揺られて伏見・宇治へ。お茶の魅力を再発見!
“もどき料理”を味わうなら「特別普茶御膳」9,900円(写真は2人分)。
“もどき料理”を味わうなら「特別普茶御膳」9,900円(写真は2人分)。

中国の高僧・隠元(いんげん)禅師によって、1661年に開山。中国様式の境内も新鮮ならば、禅師が伝えたという中国式精進料理「普茶料理」は目に鮮やか、食べて楽しい。「普茶」とは、「普(あまね)く大衆と茶を供にする」の意。順に供される料理は大皿盛りで、かまぼこに見立てた長芋など、〝もどき料理〞に会話も弾む。「最初にお出しする麻腐(胡麻豆腐)はお客さまの到着に合わせて練ります」という典座(てんぞ)の秦崇志さんの心意気もいい。食後に僧侶の説明つきで拝観が楽しめる特別普茶御膳「あおい」(1万1000円)も人気。

香ばしい"蒲焼き"は豆腐と大和芋、皮目は海苔で作られている。
香ばしい"蒲焼き"は豆腐と大和芋、皮目は海苔で作られている。

◆京都府宇治市五ケ庄三番割34 
TEL.0774・32・3900 
開門9時〜17時(最終受付16時30分) 
※普茶料理(11時30分〜14時)は3日前までに予約を(普茶弁当以外、2名〜)
拝観料500円 
JR、京阪「黄檗」駅から徒歩5分。

京都から電車に揺られて伏見・宇治へ。お茶の魅力を再発見!

[宇治]朝日焼 shop & gallery

「お茶っていいよね」と思ってもらえる場所を。

平等院側から、宇治川を挟み、工房の煙突を眺める。
平等院側から、宇治川を挟み、工房の煙突を眺める。
十六世窯元豊斎作、茶盌(ちゃわん) 乙巳(きのとみ) 燔師 7万7000円(左)、茶盌 乙巳 紅鹿背(べにかせ) 8万8000円(右)。
十六世窯元豊斎作、茶盌(ちゃわん) 乙巳(きのとみ) 燔師 7万7000円(左)、茶盌 乙巳 紅鹿背(べにかせ) 8万8000円(右)。

宇治川のほとりで400年以上続く窯元。「朝日山の土、宇治川の水、登り窯に使用する薪(火)に加え、宇治にはお茶の文化がありましたから」と、十六世窯元・松林豊斎さんみずから淹れてくれた煎茶は、舌の上を転がるようなやわらかな甘さで、手触りのいい青磁の煎茶碗にやさしく映える。2017年にオープンしたショップ&ギャラリーには、日常使いの碗やティーポットから、十四世、十五世の作品までがゆるやかにつながって並べられ、春になると窓の向こうは桜並木。

1年に3回の窯焚きを待つ登り窯。
1年に3回の窯焚きを待つ登り窯。

◆京都府宇治市宇治又振67 
TEL.0774・23・2511 
営業時間:10時〜17時 月曜休(祝日の場合は火曜)、最終火曜休 
京阪「宇治」駅から徒歩7分、JR「宇治」駅から徒歩17分。

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