本人の意向から生まれたナンバーワンヒット「You’re My Only Shinin’ Star」（中山美穂）ーー高橋芳朗の暮らしのプレイリスト

いまもなおショックを引きずっている、という方も少なくないと思います。2024年12月6日、歌手・俳優の中山美穂さんが急逝しました。54歳でした。

美穂さんの葬儀のあと、妹で俳優の中山忍さんが発表したコメントが印象的でした。「私にとって姉は『大好きなお姉ちゃん』であるとともに『みなさんの中山美穂』であり、『永遠のシャイニングスター』です」

ここで忍さんが綴った「永遠のシャイニングスター」から連想するのは、もちろん美穂さんの「You’re My Only Shinin’ Star」。オリコンチャートで1位を獲得した、1988年の大ヒット曲です。

この曲の作者は、美穂さんが大ファンだった杏里さんのプロデューサーということで彼女自らコラボレーションを希望した角松敏生さん。もともとは美穂さんの1986年のアルバム『SUMMER BREEZE』の収録曲でしたが、彼女がいたく気に入っていたことから1年半後に再レコーディングしてシングル化。既発曲ながら大成功を収めました。

角松さんの初起用と、既発曲の異例のシングル化。こうして振り返ってみると、「You’re My Only Shinin’ Star」は美穂さんの意向から生まれたヒット曲ともいえるでしょう。1992年の『Mellow』からセルフプロデュースでアルバムを作るようになる彼女のディレクション能力は、すでにこの時点で芽吹いていたのかもしれません。