家事の上手な手放し方ーー便利なものを総動員して楽々回る仕組みに
撮影・津久井珠美 文・宮下亜紀
夫婦共働きで、子ども2人を育てる手塚ちさとさん。忙しい日々の中でも、ひとり時間がほしくて、工夫を積み重ね家事の負担を減らしてきた。
「料理や片づけは嫌いではないけれど、時間をとるほど好きでもないので、なるべく簡単にしたいと思って。家事を仕事の一つと捉え効率化を図りました」
手がかかるところを見直し、仕組みを作って改善。家族共有の小物や子どもの教材は、片づけやすいようハードルの低い収納に変更。便利な家電も導入し、食器は食洗機で使えるものを選び、ルンバが掃除しやすい環境を作った。
「最初は気合がいりますが、仕組みさえ整えば毎日が楽になる。当たり前にやっていることほど改善の余地ありです。以前は常に焦っていたけれど、家族も自然と動いてくれるようになり、最近は“暇かも!?”と思うくらいです」
1. 下ごしらえはしない
冷凍野菜やひき肉を使って、下ごしらえの手間をカット。「里芋は皮がむいてあり、ブロッコリーやごぼうは使いやすく切ってあるので包丁いらず。バラ凍結のひき肉は、解凍せずに使いたい分だけさっと使えて、オムライスやカレーに大活躍。手早く料理を作るのに欠かせません」
2. 配膳はしない
ひとりでやると時間のかかる配膳は、家族分のトレーを用意し、各自で運ぶルールに。「キッチンとテーブルを往復せずに済み、食後も下げてもらえるので、後片づけがスムーズに」
3. 洗い物はしない
食器などの洗い物は基本、食洗機におまかせ。「漆器や木のものは使えないので、食洗機対応の食器や調理道具を選んでいます。ザルの細かい目も、手洗いするよりきれいになります」。ぬめりやすく、洗うのが大変だった水切りかごは手放し、食洗機で洗えるオーブンの網で代用。
4. アイロンをかけない
シワになるコットンやリネンは避け、ノーアイロンで着られる衣類だけに。「ポリエステルや速乾性の高い素材、アウトドアブランドのウエアはお手入れが楽で、愛用しています」
5. 洗濯物は干さない
靴下や下着、ふきんなどを乾かす時は、ニット用の平干しネットを使い、ピンチに挟んだり外す作業を省略。「ポイポイ置くだけなので、ピンチに洗濯物が絡まるストレスもなし」
6. 掃除の時間は作らない
リビングやクローゼット、ベッド下など、家じゅうをルンバがくまなく動けるよう通り道を作り、外出中に稼働。バスグッズは吊してぬめりを予防し、浴室は最後に入った人が掃除をする決まりに。排水口やベランダ、窓の掃除は家事代行マッチングサービス「キッズライン」を2週に1度活用。「苦手なことは力を借りて」
7. 家族のものは片づけない
家族共用の小物は1種類1ケースに分類。ケースごと出して使え、戻す場所が明確なので子どもも片づけられるように。教材はサイズがバラバラで長男はボックスに立ててしまうのが苦手だったので、机の上からそのままスライドさせるだけでいい平置き収納に。「ものが散らかることが少なくなり、片づけの労力が軽減」
『クロワッサン』1126号より
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