島田秀平さんおすすめ、2025年に訪れたい全国の有名弁財天
撮影・青木和義 イラストマップ・本田しずまる 文・嶌 陽子 構成・堀越和幸
[神奈川県]江島(えのしま)神社
人気観光地の中にある格式高い古社。
大勢の観光客でにぎわう江の島に鎮座する江島神社は、実は日本三大弁財天のひとつ。「辺津宮(へつみや)」「中津宮」「奥津宮」の3社からなり、辺津宮に田寸津比賣命(たぎつひめのみこと)、中津宮に市寸島比賣命(いちきしまひめのみこと)、奥津宮には多紀理比賣命(たぎりひめのみこと)の3姉妹がそれぞれ祀られている。
辺津宮境内の「奉安殿」に安置されているのは八臂(はっぴ)弁財天と妙音(みょうおん)弁財天。江戸時代にはこの江島弁財天への信仰が集まり、多くの人が参拝したという。また、江の島はもともと龍神信仰の地であることから、境内には龍の像や絵も多く見られる。
「島内のおいしいもの巡りも楽しみながら参拝してください」
境内は広く、見どころが点在。辺津宮の奉安殿に安置される弁財天にはぜひお参りを。
少し足をのばして
『中村屋羊羹店』の〈元祖海苔羊羹〉は白いんげん餡の甘さに青のりの香りがよく合う。小サイズ約250g 1,000円〜。
[滋賀県]竹生島(ちくぶしま)神社
清々しい空気に満ちた、神の住む島へ。
滋賀県の琵琶湖に浮かぶ竹生島は、古来から「神の住む島」といわれ、島全体がパワースポット。その島にあるのが日本三大弁財天のひとつ、竹生島神社だ。国宝となっている本殿は、豊臣秀吉が寄進した伏見桃山城の勅使殿を移転したもので、優雅できらびやかな桃山美術は必見。もともとは神仏習合の島であり、隣にある宝厳寺(ほうごんじ)とは「舟廊下」と呼ばれる渡り廊下でつながっている。
竹生島までは長浜港、今津港、彦根港から観光船で25〜40分。島田さんも「足を踏み入れた瞬間、身が引き締まるような感覚に」なったという島と神社で、清々しいエネルギーを授かりたい。
素焼きの皿に願いを書き、拝殿から湖に突き出た鳥居に向かって投げる「かわらけ投げ」でも有名。
お菓子をお土産に
宝厳寺の「弁天様の幸せ願いダルマ」にちなんだミルクまんじゅう「ねがいだるま」。船着き場の売店で販売。
[広島県]亀居山放光院大願寺(ききょざんほうこういんだいがんじ)
あの世界遺産にも関わりが深い名刹。
世界遺産である宮島の嚴島(いつくしま)神社に隣接する古刹であり、日本三大弁財天のひとつ。明治の神仏分離まで嚴島神社の修理造営を担当していたという。嚴島神社と同じくパワースポットとして人気を集める場所だ。「世界的に有名な宮島ですが、やはり実際に訪れると感動します。ぜひ一度は行ってみてほしいですね」と島田さん。
御本尊である秘仏「嚴島弁財天」は、弘法大師空海の作と伝えられる。また境内の池には、弁財天の使いである嚴島龍神も祀られている。堂内には国の重要文化財に指定されている4体の仏像を含むさまざまな仏像を安置。名高い宮島の美しい景観を楽しみながら参拝しよう。
御本尊、嚴島弁財天の優美な姿が描かれたお守り。御朱印袋や御朱印帳などもある。
ここにも立ち寄って
卵せんべいにホワイトとココアのクリームを挟んだ「宮島さん」8袋入 540円〜。宮島の土産店で購入できる。
『クロワッサン』1132号より
広告