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ポルトガル料理研究家の馬田草織さんが選ぶ、普段の料理が激変する調味料。

毎日使う調味料、どんなものを、何を基準に選ぶのが正解なのだろう? ポルトガル料理研究家の馬田草織さんに教えてもらいました。

撮影・中島慶子(調味料) 文・小林百合子

馬田草織さん|丁寧な仕事が光る調味料で普段の料理が激変。

よい原材料や素材を使ったもの、生産者の真摯な仕事により作られたものに惹かれます。同時に適度な価格やオンラインなどで入手できる手軽さも重視しています。中には少し値が張るものもありますが、丁寧な製造工程を知ると、値段にもきちんと理由があるのだと納得できますし、何よりきちんと作られた調味料は本当においしい。実際、料理酒を変えただけで、煮物や汁物、鍋など、いつもの料理がレベルアップしたなと実感しています。

三州三河みりん(角谷文治郎商店)

700ml 1,122円(TEL.0566・41・0748)
700ml 1,122円(TEL.0566・41・0748)

もろみ熟成に3カ月、さらに1年以上熟成させた本みりんは、明治43年の創業以来、伝統的な醸造方法を守り抜く老舗のロングセラー品。キレのいい甘みとテリ、ツヤのよさが特徴で、素材によく味をしみ込ませ、旨みを逃すことなく閉じ込めてくれる。「甘さが上品でコクがあるところが好きです。みりんならではの旨みを感じられます」。

井上 古式じょうゆ(井上醤油店)

720ml 1,004円(TEL.0854・56・0390)
720ml 1,004円(TEL.0854・56・0390)

江戸時代から使われる蔵で、加熱処理や酵母添加による醸造促進を施さずに醸造。人間の手を極力入れず、微生物の力だけで醸すことで豊潤で滋味あふれる味わいに仕上げる。「しっかりした塩味がありつつも香りがよく、まろやか。そしてクセがないという理想の醤油。スーパー紀ノ国屋などで取り扱っていて、手に入れやすい点もいい」。

ろく助塩 白塩 顆粒タイプ(ろく助本舗)

150g 1,080円(mail:info@rokusuke-honpo.com)
150g 1,080円(mail:info@rokusuke-honpo.com)

東京・赤坂の名店『串焼き ろく助』の店主がこだわり抜いて作ったオリジナルの塩。口に含むと舌の上ですぐ溶け出し、旨みとコクが広がる。顆粒タイプはより溶けやすく、料理に使うのに最適。「塩をベースに昆布や干し椎茸、干し貝柱の旨みなども含むので、これだけで浅漬けや野菜炒め、塩むすびもおいしくなります」。

玄米麹味噌(名刀味噌本舗)

800g 972円(TEL.0869・26・2065)
800g 972円(TEL.0869・26・2065)

玄米の優れた栄養価をそのままに、長期熟成による独特の旨みと風味を兼ね備える。原料の米と大豆は岡山県産100%。完全無添加。赤味噌を思わせる力強い味わいで、野菜につけて食べるだけでごちそうに。「玄米麹独特の風味や旨み、ほのかな甘みもあるのが魅力。味わい深いという表現がぴったりの味噌」。

素焚糖(すだきとう)(大東製糖)

600g オープン価格(TEL.043・302・3108)
600g オープン価格(TEL.043・302・3108)

奄美諸島のサトウキビだけを原料とした100%国産砂糖。ミネラルと風味を閉じ込めるようにじっくりとたき上げ、自然な結晶を作り上げている。「甘さがやわらかく、まろやか。プリンなどお菓子作りにも欠かせません。一般的な砂糖に比べて自然のミネラル成分が多いのも好きなポイント」。

さんばい酢(丸正酢醸造元)

700ml 1,782円(TEL.0735・52・0038)
700ml 1,782円(TEL.0735・52・0038)

自社で醸造した赤酢にかつお節、天然利尻根昆布をたっぷり使い、風味豊かに調味した酢。酢の物以外にもエビフライやとんかつなどの揚げ物にかけても、さっぱりと食べられる。「おいしい赤酢にかつおと昆布の出汁が加わった旨みたっぷりの酢は、わかめやきゅうりの和え物、もずくなど、なんでもかけたり、和えたりに便利な一本です」。

プレミアムオーガニック EXV オリーブオイル(CARM)

500ml 3,132円(メルカード・ポルトガル TEL.0467・24・7975)
500ml 3,132円(メルカード・ポルトガル TEL.0467・24・7975)

無農薬有機栽培のオリーブを収穫後24時間以内に搾油したポルトガル産のオイル。青りんごのようなフレッシュな香りで、ぴりりとした刺激が心地いい。「フルーティで繊細、バランスがよく嫌なクセがない。サラダやカルパッチョなど非加熱の料理に最適で、スープの風味づけにも」。

ブラックペッパー(KURATA PEPPER)

35g 972円(TEL.0587・81・3207)
35g 972円(TEL.0587・81・3207)

カンボジアの農園で農薬や化学肥料を使用せず、昔から伝わる自然農法で現地の人々と共に栽培するこしょう。「日本人の倉田浩伸さんが現地で有機栽培を復活させた最高級品質のもの。いろいろなこしょうを試してきましたが、柑橘のような爽やかで清涼感のある香り、シャープな辛み、挽くと広がる風味など、どれをとっても断トツにいい」。

料理酒 旬味(しゅんみ)(仁井田本家)

720ml 1,430円(TEL.024・955・2222)
720ml 1,430円(TEL.024・955・2222)

自然米だけで仕込んだ純米100%の料理酒。醸造発酵のため天然アミノ酸が豊富で、素材の持ち味をひき出す。一般的な料理酒の3分の1ほどの量で甘みとテリを加えてくれる。「旨みが非常に強く、少し加えるだけで味に深みが出る。鍋、お吸い物、煮物と何にでも活躍し、これがないと本当に困る。最も活躍している調味料のひとつです」。

  • 馬田草織

    馬田草織 さん (ばだ・さおり)

    ポルトガル料理研究家、文筆家

    東ポルトガルの食に魅了され取材・執筆を続ける。著書に『ムイト・ボン!ポルトガルを食べる旅』(産業編集センター)など。

『クロワッサン』1117号より ※価格等は取材時のものです。

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