インターネットがきっかけでスープ作家に、有賀薫さんのデジタルライフ。
なにも難しくありません。私たち、既に楽しく使っているのですから。
まずは積極的に挑戦する有賀薫さんの心おどるデジタル生活を参考に。
撮影・黒川ひろみ 文・小沢あや
インターネットでの縁のつながりの先に、スープ作家になった今の自分がありました。
日々のスープ作りの様子をSNSにアップをし続けたことがきっかけで、スープ作家としてのキャリアを築いた有賀薫さん。インターネットを積極的に使うようになったのは20年前で、SNSは15年前から。今もX(旧Twitter)やインスタグラム、文章投稿サービスnoteにYouTubeなど、幅広く発信を続けている。
「インターネットで人生が変わりました。それまで知り合うことがなかった人と出会えたし、自分の趣味について語れる人が増えた。仕事になったのは結果論で、自分の世界を肯定してもらえて、人間関係が豊かになったのがうれしいです」
スープの写真は、スマホとコンパクトなミラーレス一眼カメラを使い分けながら撮影。
「iPhoneは少し前の機種でも写真がきれい。カメラは張り切って上位機種を買っても結局使いやすいものしか使わないので、手軽なものが一番です」
インスタグラムのストーリーズに投稿する写真は「LINEカメラ」を活用。「複数の写真を1枚にまとめるのに便利です」
新しもの好き。 YouTube用にGoProを買いました。
何でも、まず自分の手を動かしてやってみる。
60代を迎える今も、新しいツールやサービスを試すのが楽しいのだという。最近は動画に特化した小型カメラ「GoPro」を持ち歩き、旅の模様をYouTubeにアップ。先日は福井の食を探求する旅へ出かけた。
「仕事としても使いますが、趣味の遊び感覚で、気楽に試しています。構えずに居心地がよいところで、やりたいことをやるのが好き。今はネットで調べられないことはないし、まずは自分でやってみるのが大事。手を動かしてみたら意外と簡単で楽しめることがたくさんあるんです」
SNSの運用ポリシーは、「自分が楽しいと思うことを投稿する」。
「『疲れた〜』みたいなネガティブなことはなるべく投稿しないようにしています。機嫌よくいると明るい人が集まってくるし、暗い投稿をしていると不機嫌ループにはまっちゃう」
同世代の女性にも、デジタルライフをもっと楽しんでほしいと有賀さん。
「みんな『どう思われるかな? 間違ってないかな?』と考えすぎちゃうけれど、私も元ライターなのに誤字脱字だらけですよ(笑)。気楽にやってみるといいんです。私たちの世代こそ、楽しみをたくさん発見できますよ」
スープの発信はスマホとデジカメを使い分けて。
にんじんと菜の花、炒り卵の春スープ
千切りのにんじん適量を油で炒める。卵は溶いてさっと炒って皿に出しておく。にんじんを鍋に入れ、ブイヨンを加えて火にかけ、茹でた菜の花と炒り卵を加え、塩で味を調える。
YouTubeチャンネル「有賀薫のスープ旅」から。GoProは首から下げることもできるので、自分の目線に近い映像が撮れて楽しい。
撮った写真のコラージュはLINEカメラが便利。
インスタのストーリーズに投稿する写真は「LINEカメラ」のコラージュ機能でパパッとレイアウトを組む。難しい編集ソフトを使わなくても、使いたい写真を選択し、配置を決めるだけで好みのレイアウトが手軽に作れる。
『クロワッサン』1115号より