山下都子さんのとっておきミートソースのレシピ。
ひき肉料理の代表格、みんなが好きだからこそ進化もさまざま。
山下都子さんとミートソース、そのストーリーとは。
山下都子さんとミートソース、そのストーリーとは。
撮影・馬場わかな 文・板倉みきこ
山下都子さん|試飲で残ったワインを生かし、滋味深い“賄い飯”が完成。
“ ワインだけを水分に使い、肉の旨味を際立たせます。”
ワイン&グローサリーショップ『202』の店主・山下都子さん。店では角打ちもやっているのだが、開栓後時間が経ち、少し風味が落ちてしまった滋味深いワインをうまく使い切る策として、賄い料理に転用させることがよくあるそう。
「店のワインはナチュラルワインなので、開けて少し経つと味に大豆のような余韻が出てしまうのですが、ミートソース作りに使うと、その余韻が絶妙なコクになるんです」
今回紹介してくれた牛肉のミートソースは、肉のガツンとした旨味が前面に出てくる一品。塊肉から作っている、馴染みのイタリアンのシェフのレシピを参考にした。
「トマトより肉を主役にしたかったので、トマト缶ではなくトマトペーストを使い、玉ねぎやにんじんなどの野菜も脇役だから、とことん小さく刻みます。水分として加えるのは赤ワインのみ。ひき肉をほぐしすぎず塊を残して焼くのがポイントです」
コク足しに入れたのはコンソメやブイヨンではなく、生椎茸と味噌。今回使ったスモークパプリカパウダーに出汁っぽい風味があり、和の味噌や椎茸と好相性だったという。
「ワインが替われば、レシピも少し違ったものに。ワインに合わせて作り方を調整するのも楽しいんです」
『クロワッサン』1105号より