独自路線を往くK-POP界フェミニズムの騎手、(G)I-DLE渾身の集大成【高橋芳朗の暮らしのプレイリスト】
(G)I-DLE 『2』
メンバー自ら楽曲制作や振り付けを行うセルフプロデュースユニットとして、群雄割拠のK-POPガールグループ界で独自の路線を追求する(G)I-DLE(ジー・アイドゥル)。昨秋には本格的に全米進出に乗り出すなど、目下絶好調の彼女たちがニューアルバム『2』を発表しました。
ジェンダーロールからの解放を訴える「TOMBOY」、女性の性的客体化を痛烈に批判した「Nxde」(ヌード)、セルフラブの大切さを説く「Queencard」。ここ数年は一貫してフェミニズム的なメッセージを打ち出してきた(G)I-DLEですが、その姿勢は今回の新作でも継承されています。
まず、アルバムからの先行シングル「Wife」では家父長制への抵抗を表明。旧来的な男性社会で求められてきた慎ましく献身的な妻のイメージに反旗をひるがえしています。
そして「Wife」に続く勝負曲として登場したのが、その名もずばり「Super Lady」。扇動的なサウンドに乗せて自立した女性を讃える内容は、近年の活動を集大成するエンパワーメントソングといえるでしょう。
「さあレディたち、前へ突き進もう。決して屈したりしない、これが私の道だから。たとえ炎が燃え尽きても、どんな男たちより果敢に飛び込んでいく」
ここにきて、いよいよ同胞に「連帯」を呼び掛けてきた(G)I-DLE。自信に漲る5人の本領発揮は、ここからが本番なのかもしれません。
『クロワッサン』1113号より