作者の川端裕人さんは、この小説を書く前に、同じく、17世紀に遠くモーリシャス島で絶滅したドードー鳥をテーマにしたノンフィクションを書いていた。
「この前数えてみたら、自分が書いてきたのは小説が6割、ノンフィクションが4割だった。でも、同テーマで書いているというのは今までないんです。江戸時代に実はドードーが日本に来ていたという事実を知り、それがどこへ行ってしまったのかが気になって。将来それが発見される布石となるよう、まずはノンフィクションとして1冊にまとめて出しました」
今回はそこで踏まえた事実も織り込み、新たな物語を紡ぎ出した。タマキは新聞記者となり、偶然にもカリフォルニアで最先端のゲノム研究である「脱絶滅」に取り組むケイナと取材のため再会する。音信不通だった二人を再び繋ぐのは、やはり絶滅動物だった。