朝ドラこと連続テレビ小説『エール』(’20年 NHK)の“ミュージックティーチャー”役で全国区の人気を得た古川雄大さん。それまでも舞台――とくにミュージカルで活躍していた。
「もともと、芸能の世界に興味があって、10代のときダンスをはじめ、そこから歌や演技にも世界が広がりました。そこから俳優に絞りましたが、結果的にいま、好きな歌も踊りもやることができているので、充実しています」
帝国劇場のミュージカルの大役にも抜擢されたことをきっかけに、みるみる知る人ぞ知るスターになった。
「いまでこそ、いろんな方がミュージカルに出ていますが、僕がはじめた10年前くらいはミュージカルといえば音大出身の方々ばかりで。戸惑うことも多く苦労しましたが、出身の違う僕の個性を生かすと同時に、レッスンを積み重ねていくしかないなと思いました」
ミュージカルの世界に新風を吹かせている古川さん。理想は、無念無想。
「いろいろな思考を捨てて、ただただ楽しむことができるような芝居をやりたい。一度、体調が悪いときに、逆に無になれたことがあって。見てくれた人に、今日、すごく良かったよ、と言ってもらえたことがあるんです」