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57歳で始めたリース作りで人気のフラワー作家になった、和田由利子さんの物語。

子育てや介護、家族のミッションが落ち着く年齢こそ、自分の好きなことで仕事をする始めどき。
アラウンド60歳で生きがいと収入を得はじめた和田由利子さんの物語。

撮影・三東サイ 文・一澤ひらり

私の作品が、誰かの幸せに寄り添えるのがうれしくて。

「好きなことだから続けられるし、楽しいです。しかも作品が売れるなんてありがたいですね」と和田さん。
「好きなことだから続けられるし、楽しいです。しかも作品が売れるなんてありがたいですね」と和田さん。

MY STORY

●若い頃
建築パース製作の仕事をしながら、セツ・モードセミナーに通い、長沢節氏の薫陶を受ける。

●結婚後
都内から関東近郊に移住。

●57歳
ネットで目にしたリースに魅せられ、独学で制作を開始。

●58歳
作品が増えたので、メルカリで販売。さらなる技術向上を目指し、レッスンを受ける。

●61歳
minneの特集で作品がピックアップされ、注目される。

●62歳
1つのリース作品が60個以上売れるほどの人気作家に。

ハンドメイドマーケットminneで、「shopAdaw」の名称で出品している和田さんのページ。下のグリーンリースは受注生産で年間通して売れる人気作品。<a href="https://minne.com/@dry-adaw">https ://minne.com/@dry-adaw</a>
ハンドメイドマーケットminneで、「shopAdaw」の名称で出品している和田さんのページ。下のグリーンリースは受注生産で年間通して売れる人気作品。https ://minne.com/@dry-adaw

57歳のときネットで見かけたドライフラワーのリースに魅了され、作ってみたいと思ったことが、フラワー作家への道を開いた和田由利子さん。

薄紫のルリタマアザミのドライフラワーと白い葉のヤマシダ、シノブのプリザーブドフラワーのアレンジメント。
薄紫のルリタマアザミのドライフラワーと白い葉のヤマシダ、シノブのプリザーブドフラワーのアレンジメント。

「リースは作ったこともないし、作り方もわからなかったけれど、近所のホームセンターで材料を適当に買って、見よう見まねでやってみたらできてしまったんです。それがとても楽しくて、作り始めたのがきっかけですね」

白いカラーの花にグリーンが映える、アーティフィシャルフラワーのリース。
白いカラーの花にグリーンが映える、アーティフィシャルフラワーのリース。

もともと凝り性で、毎日作り続けていたら部屋中作品だらけに。夫から居場所がないと言われ、苦肉の策でネット版フリーマーケットに出品したら意外にも売れ、大きな転機になった。

キングプロテアをメインにしたドライフラワーのスワッグ。
キングプロテアをメインにしたドライフラワーのスワッグ。

大事なのは本気度。印象的な写真、簡潔な文章なども売り上げに影響。

その後、和田さんが国内最大級のオンライン・ハンドメイドマーケット「minne」に出品して気がついたのは、作品の制作とともに、目を魅きつける写真、わかりやすい作品説明、丁寧な梱包と迅速な発送も大切だということ。

リース制作で手にしている葉っぱはアーティフィシャルフラワー。造花とは思えない質感。
リース制作で手にしている葉っぱはアーティフィシャルフラワー。造花とは思えない質感。

「面倒がらずに、これをきちんと行うことが売り上げに直結します。私の場合は材料費ぐらいで元手のお金もあまりかからず、出品して売れたお金をそのまま制作に使えるので、貯蓄の範囲内でやってこられました。『結婚式のウエルカムボードに飾りました』『母の日に贈って喜ばれました』といったうれしいメッセージで幸せな気持ちになれて、制作の原動力になっています」

和田さん宅の庭。「若い頃からガーデニングが大好きで、それが今の仕事につながっています」
和田さん宅の庭。「若い頃からガーデニングが大好きで、それが今の仕事につながっています」
  • 和田由利子

    和田由利子 さん (わだ・ゆりこ)

    フラワー作家

    アーティフィシャルフラワー(高級造花)やドライフラワーをメインにしたフラワー作家として、ハンドメイドマーケットで作品を販売し、好評を得ている。

『クロワッサン』1096号より

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