美しくかつ、使いやすい。京都の審美眼が凝縮した器や道具。

手の中におさまる小さな器と、暮らしに取り入れたい木版画。

細い路地奥の、小さな日本家屋。京都の韓国喫茶＆ギャラリーに長くつとめた店主の李美香さんが、やさしい笑顔で迎えてくれる。

「作家もの、李朝を感じるもの、古いもの、手の中におさまる小さな器を集めています。

カジュアルな浮世絵はぜひインテリアに」と、畳の上で対話を楽しみながら、ゆったり選ぶ時間ごと愛おしい店。

日本の手仕事の力強さが清らかに満ちたギャラリー。

長く海外に暮らした荒谷啓一さんと妻の里恵さんが、4年前にオープン。

「日本の作り手を世界に伝えたい」という志のもと、小野哲平、赤木明登など人気作家をはじめ、ものづくりの本質に焦点を当てたセレクトに根強いファンが多い。

「個展時には独自のインタビューを載せたリーフレットを制作するほど真摯な姿勢が素敵です」（宮下さん）

西洋×現代作家の美の融合。作家の展覧会もチェックして。

「私は敷物が好きです。敷物をかえるだけでいつも使っているものの新しい魅力に気付き、素敵なテーブルコーディネイトができます」。

骨董に囲まれて育った店主の永松仁美さんが「好き」と感じたものを集めた空間は上品で愛らしく、西洋のアンティークの銀盆をもとに制作された木工作家の佃眞吾による盆など、ここだけの美に出合える。

●京都市東山区祇園町南側581 ZEN2F　
TEL.075・525・0805　
営業時間：12時〜18時　月・火曜休（祝日は営業）、不定休　
京阪祇園四条駅から徒歩3分。

使いやすさと見た目の温もり。どこにもなじむ生活道具。

店主の林七緒美さんが実際に使って生活になじむ器、木工、「すごく素敵」と惚れ込んだ琵琶湖の淡水真珠のアクセサリーまで、心からよいと感じたものを気負いなく紹介。

「器を買うならまずここ」（ライター・大和まこさん）、「とてもいい空間。企画展も多く、市川孝さんの茶器を購入しました」（宮下さん）

と、訪れた人を次々に魅了している。

「好きなものを集めたら統一感が出る」の精神で。

「京都はいいものがたくさんあった街」と話すのは、京都をはじめ全国から骨太で美しい骨董を集める店主の前田隆汎さん。

2002年の開店から一貫して「気軽に骨董を楽しんで」という心地よい距離感で、価格も手頃。

「なます皿、ガラスの器を購入しました」（料理研究家・井原裕子さん）