「家事は、開運できる一番の方法」。江原啓之さんに聞く運気の整え方。
「家事のすべてに開運のポイントがあります」
そう語る江原さんがふだん行っている掃除、洗濯、炊事といった日常を大公開。
暮らしのなかにある幸せの種を芽吹かせ花を咲かせる極意を教えてもらいました。
撮影・小川朋央 文・やしまみき
整えて、手放す。
2つめの開運ポイントは“整えて、手放す”だ。
「ぜひクローゼットを整理してください。埋もれたお宝があるはずです。私が『コレ、あったんだ!』と思う服を見つけたときは、そのシーズンのマイブームになりました。着たときに歓びを感じられる服は愛着が持てますし、自分が『整っているな』と感じる服は、着ていて一日中気分がいいものです」
愛着のある衣類なら雑には洗わないし、干すとき、しまうときも丁寧に扱う。洗濯でオーラマーキングを意識すれば、服は自分や家族のお守りになる。
「家族に元気がないなら『健康でありますように』とか、『頑張ってね』といった思いを込めて干したり、たたんだりしましょう。疲れているときや、イライラしているなら家事は休むこと。私は疲れたらゴロンと横になってしまうんです。『やらなければならない』という義務感は苦痛になるだけ。そのまま続けても悪しきオーラマーキングになってしまいます。幸せのため、楽しむための家事ですから、良きオーラとなるよう休養は必要です」
衣類も含め、部屋に物があふれがちだという悩みは多い。
「まるで『終焉のワルツ』を踊っているかのように計画性もなく浮かれ気分で買っていると物を上手に操れなくなります。物があっても心は満たされないと気づいているはず。もう幻想は捨て、原点回帰するためにもいったん整えましょう。1年以上使っていないものは思い切って手放して。取捨選択すると、ひとつひとつに意識が向き、感謝と愛着が生まれます」
「『キッチンはご神前』という考え方を持っていますか? 男女の別なくキッチンに立つ時間が長い人にとって、自分のキッチンはできれば他の人には触れてほしくない神聖なる場所ではないでしょうか。それは『ご神前』と同じなのです。そう思えば雑然とした場所にはしたくない、清潔で居心地のよい場所にしたいと思うはずです」
ただ物を減らせばいいというのではなく、居心地のよい場所として自分はどう整えたいのかが開運ポイントだ。
「例えば仕事をしている人なら、職場のデスクは仕事をしやすいように整えますよね。やる気が出るようにお気に入りの写真を置いたり、好きな小物をちょっと飾ったりもするでしょう? キッチンだって同じ。『ずっとここにいたい』と思うようなキッチンにすれば、料理をするのが楽しくなります。楽しいという良き念が料理に込められ、家族の幸せにも発展するんです。私は好きなアーティストの作品をいくつか飾ったり、一輪挿しに花を活けたりしています。料理をするために機能的で清潔なのはもちろんですが、同時に遊び心を加えて楽しい場所に整えているんです」
「好き」をちりばめれば、家事をする時間が楽しいものになる。調理器具やキッチンマットなどは自身が好きな赤に統一。赤はスピリチュアルな意味からもパワーが強い色で、元気がほしいキッチンにはおすすめだという。
「食への感謝は常に忘れません。竈の神様である荒神様のお札と御神酒を目に入るところに祀り、キッチンを祈りの場にもしています。御神酒は、神様にお供えしたものを頂戴する直会(なおらい)と考え、料理に使います。肉じゃがに入れたりね。神様や食べ物への感謝とともにありがたくいただくのです」
祓い、洗い清める。
3つめの開運ポイントは炊事によって“祓い、洗い清める”ことだ。開運と食は切っても切れないという。
「『健全なる精神は健全なる身体に宿る』というようにスピリチュアルとフィジカルは常に両輪です。どんなに人間的に優れた人でも、体調が悪ければ心からの笑顔は出せないでしょう? フィジカルの土台を作るのは食です。しかも口はエナジーの入り口で、行き来するのは食べ物。何を選んで食べるのかを意識してほしい。
加工品がすぐ手に入り、季節感なく野菜や果物がお店に並ぶ時代ですが、添加物や農薬などの使われ方は確かめて買いたいですよね。それに旬の食材は栄養価が高く、スピリチュアルな視点から見てもパワーが強いのです。大地や太陽、水のエナジーを存分に蓄えた旬の食材をぜひ取り入れましょう。
我が家は冬、鍋が多いですよ。たくさんの食材で栄養満点。体が温まって、何より簡単! 残ったら味を変えて最後は和風カレーに。家族や大切な人たちと鍋を囲む光景は素朴だけれど幸せですよね。必ずしも時間を掛けた手の込んだ料理でなくていいと思うのです。
ご飯は水さえあれば炊ける究極のズボラ飯なのに、炊きたてのご飯に勝るものはないくらい美味しいものです。加えて旬の野菜が入った具だくさんのお味噌汁があれば最高の食事になります。シンプルに考えて食の原点に立ち返れば、誰もが幸せな気持ちになれるんです。
忙しいときは、ぜひおむすびを握って。おむすびには縁を結ぶという意味があります。作る人のオーラマーキングになるんです。誰かのために作ることも大事ですが、まずは自分の健康を思ってご飯を作りましょう。そのご飯を家族が食べれば、みんなの健康につながります」
「使った食器をそのまま洗い桶に溜めておくのは、よどんだエナジーを放置しておくようなもの。私は、使った食器はすぐに洗って、シンクもピカピカに拭き上げます。お祓いとお清めになりますからね。
水は昔から禊ぎに使われるようにエナジーがあります。炊事でも掃除でも、水仕事は汚れを落とすと同時にお祓いなのです。自分の手を使って洗うと爽快感がありますし、オーラマーキングもできます。
食洗機をお使いの方は、自らで洗う機会をぜひ作ってみてください。スッキリとしてまるで生まれ変わったような気持ちになれるはずです。禊ぎというと滝行などが思い浮かびますが、そこまでせずとも毎日お祓いができるのが家事なんです」
2023年のキーワードが「終焉のワルツ」と聞けばネガティブな気持ちになるかもしれないが、マイナスがプラスに転ずることはある。コロナ禍で増えたおうち時間を有意義に使ったケースがあったように。
「これまでの生き方を振り返り、意識を変えられる人は幸せになれます。折しも年末年始は気持ちを切り替えるのにはベストタイミング。物価高の今、おせち料理をいただけることだって歓びのはずです。その意識を持てる人はきっと大丈夫です」
災害に対する現実的な備えは護りのオーラを強める。
「食糧を備蓄しローリングストックしています。私は沼津で無農薬の自然栽培米を作っていて、玄米のまま100㎏保管。食べ飽きないことが重要なので、ほかにもパックご飯やお餅、乾麺、水や野菜ジュース、だし巻き卵やハンバーグなどおかず類の缶詰、大好きなコーヒー、あんこやきなこなどのスイーツも。非常時こそ美味しいもので元気になりたいですからね」
『クロワッサン』1084号より