日野明子さんに教わる、まな板と包丁のお手入れ法。
撮影・山本 嵩 文・斎藤理子
まな板はたわしでゴシゴシ、包丁は砥石で研ぐ。お手入れ法を身につけて、いつも気持ちよく。
著書執筆のためにたくさんの作り手を取材した日野明子さん。その体験を通して、包丁やまな板を自分できちんと手入れする大切さを知ったという。
「包丁は、なんといっても砥石で研ぐのが一番。最初は下手でも、だんだん上達しますよ。まずは一度、プロに研いでもらうことをお勧めします。そのときの仕上げの刃の感じを覚えておいて、自分で研ぐときの参考にします」
まな板は、柔らかくて粘りがあり、水に強くて包丁に優しいイチョウの木を愛用している日野さん。
「洗うときは、クレンザーとたわしでゴシゴシと洗います。木口(側面)も忘れずしっかり洗ったら、徹底的に水で洗い流すのがポイント。すすぎが足りないとカビの原因になります」
洗ったら仕舞い込まず、風通しの良いところに置いて乾かすのも必須。
【包丁】なんといっても、砥石で研ぐのがいちばん。素人でも、ある程度はきちんと研げる。
(1)家庭用なら砥石は、中砥と仕上げ用でOK。荒砥もあればなおよし。
(2)砥石を濡らし、一定の角度を保って、手前から奥に一方向で研ぐ。
(3)10円玉1枚分くらいの空間を空けるとちょうどいい角度に。
(4)反対側も研ぐ。ステンレス包丁も砥石で切れ味よく研げる。
(5)下から刃先まで指で触り、刃先がざらついていたら研げている証拠。
(6)新聞紙のざらつきが研磨剤に。研がなくても拭くだけで効果あり。
【まな板】洗剤はNG、ベストはクレンザー。 小さめのたわしで、力を入れて洗う。
(1)植物性のたわしとクレンザーでゴシゴシこすって洗う。中性洗剤はNG。
(2)一番カビが発生しやすい木口は特に入念に力を入れてこする。
(3)お皿を洗う倍の時間をかけて、たわしでクレンザーを洗い流す。
ちょっと失敗!
木口をきちんと洗うことを知らなかった頃のまな板は、全体に黒ずみが。包丁は水分が残っていたことで錆が発生。デザインに惹かれて購入したシャープナーは、切れ味が持続しないのでお蔵入りに。
『クロワッサン』1067号より