「フリーランスで保障がない…」、プロのアドバイスは?
イラストレーション・サンダースタジオ 文・一澤ひらり
フリーランスなので保障がありません。でも今の自分にもお金を使いたいし。
レイコさん 40歳/フリーアナウンサー/独身
■レイコさん家計シート
食費や趣味・教養・娯楽費は若干多めで節約の余地はあるが、フリーランスで不安定な立場のため、月々3万〜5万円を預金し、コツコツ貯めた2000万円の貯蓄は立派。今後は非課税でリスクの小さい運用をして、将来に備えたい。
フリーアナウンサーという仕事柄、美容と洋服のお金を削れず、出費がかさむというレイコさん。とはいえ、
「趣味・教養・娯楽費に5万円。その他の項目に洋服代と、まつエク、美容院、コスメ等の美容代を計上して5万円。このトータル10万円は2万〜3万、削減できる余地がありますよ」
という井戸さんのアドバイスに、レイコさんの関心がそそられる。人前に出る仕事ゆえ髪の手入れは必須だが、ヘアカラーとトリートメントを入れて美容院代は毎月2万円超の出費に。
「カラーとカットの美容院を分けてみては? そのほうがコスパがいい場合もありますよ。あるいはカラーなどは自分でやってみる方法もあるし」
次に井戸さんが注目したのはひと月4万円の食費。レイコさんは、
「ほぼ外食なんです。それにカフェ巡りが好きでインスタ映えするスイーツを探したり、デパ地下の高級サンドイッチやお惣菜を買ったりしています」
反省の面持ちのレイコさんだが、それが楽しみなら問題なし、と井戸さん。
「ただ、食費は4万円を上限にしましょう。週1万円を目安に、前の週が2000円オーバーなら、今週は8000円にする。そういう調整が大切です」
そこで気づいたのは、レイコさんには2000万円もの普通預金があること。
「何も運用していないのはあまりにもったいない! 非課税で20年運用できる『つみたてNISA』なら、年間の上限が40万円ですが、満額で20年運用すると元本800万円が1000万円ぐらいにはなります。すでに加入されている個人型確定拠出年金の『iDeCo』も満額で運用しましょう。受け取れるのは60歳以降です。これにプラスして自営業者の退職金代わりになる『小規模企業共済』をオススメします。私も加入していますが、これは受け取れる額が確定しています。『iDeCo』で老後の資金、『小規模企業共済』で仕事を辞めた時の保障、この2つはフリーの鉄板です。預金をこれらに徐々に移していって、賢く資産運用してください」
高額な普通預金は資産運用に。美容もできるものはセルフケアに。
『クロワッサン』1062号より