フランス、インド、ブラジル…世界の楽しい幸運ジンクス集。
撮影・黒川ひろみ 文・黒澤 彩
【フランス】神聖な木、ヤドリギは年末の風物。
●町田陽子(まちだ・ようこ)さん シャンブルドットオーナー
「大晦日にヤドリギの下でキスをすると幸せになれる」という言い伝えがあり、今もしっかり実践されています。年末のマルシェは、白いつややかな実をつけたヤドリギを手にして帰る人でいっぱい。ドアや玄関の上に吊り下げて、幸せがやってくるようにと願います。
【フィンランド】ミルク粥にアーモンドが入っていたら……。
●三橋智美(みつはし・ともみ)さん リロケーション会社経営
フィンランドのクリスマスはミルク粥なしには始まりません。大きな耐熱皿で作り、熱々に煮えたら最後にアーモンドを一粒入れます。自分の皿にアーモンドが入っていたら、来年、幸運に恵まれること間違いなし。みんなで盛り上がります。
【インド】盛大に吹きこぼれる牛乳は富と繁栄の象徴。
●よしいあけみさん 食文化研究家
南インドのヒンドゥー教徒が引越し先の新居で最初にすることは、牛乳を沸かして勢いよく鍋から吹きこぼし、それを神様に捧げる儀式です。私が住むタミル・ナードゥ州で1月に行われる収穫祭でのミルク粥炊きも同様のもの。牛が神様であるインドらしい風習です。
【ロシア】シャンパンと一緒に〝新年の願い事を飲み干す。
●ダリア・ボガートワさん コーディネーター
意外と開運好きなロシアの人たち。大晦日の晩、年が明ける瞬間に交わすお祝いのシャンパングラスに、新年の願い事を書いた紙を燃やした灰を入れてかき混ぜ、午前0時の時報とともに一気に飲み干すと、どんな願いも叶うと信じられています。
【ドイツ】幸せを運んでくれる、伝統の煙突掃除人。
●河内秀子(かわち・ひでこ)さん ライター
ベルリンの年末年始に幸せを運ぶ存在といえば、煙突掃除人。今も現役で頼りにされている職業です。出会えばその日に幸運が訪れ、煤をつけてもらうとさらに運がつくといわれます。火事が多かった中世の時代、彼らによって家の安全が守られていたことが由来のよう。
【ブラジル】白い服を着て迎える、真夏のニューイヤー。
●オリヴェイラ栄里子(オリヴェイラ・えりこ)さん キャリアカウンセラー
ブラジルでは、平和の象徴である「白」を身につけて新年を迎えると、いい年になるといわれています。季節は真夏。女性はサマードレス、男性はポロシャツにバミューダパンツ、ビーチサンダルといった装いで、カウントダウンを楽しみます。
『クロワッサン』1060号より
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