キッチン周りのしつこい汚れは「漬けて」落とす、プロの掃除術。
撮影・中島慶子 構成と文・大澤はつ江
【浸ける】
キッチンのこびりついた油汚れは洗剤に浸け、緩めて除去。
[五徳]
キッチンでいちばん厄介な汚れがコンロの五徳。調理の吹きこぼれが油と混じり、こびりつく。
ポリ袋に五徳や小物を入れ、重曹と湯で浸け置きすると、油汚れが緩み、簡単にこすり落とせる。
(1)ポリ袋を2重にしてシンク内に置き、大きいものから順に五徳類を入れる。ポリ袋の容量は入れるものの数で決める。
(2)上から重曹をまんべんなく振りかける。湯1Lに50gが目安。
(3)五徳類が隠れるまで湯(40度ぐらい)を注ぐ。ポリ袋の口をしっかりと閉じ、そのまま20分ほど置いておく。
(4)使用済みのプラスチックカードをハサミで斜めにカットする。硬いほうが緩んだ油汚れを削りやすい。
(5)ポリ袋をあけ、汚れが緩んでいたらカードの切り口をあててポリ袋の中で削る。削ったら水洗いを。五徳1つで5~7分。
道具
左から
●使用済みプラスチックカード
硬いタイプが丈夫で汚れを削りやすい。
●重曹
粒子状で研磨効果もある。
●ポリ袋
家庭用ポリ袋が便利。量でサイズを決定。
\ 頑固な油汚れは、浸け置きが効果的。/
[水切りカゴ類]
洗っていても水垢などがこびりついてしまう水切りカゴ。食器などを入れる場所は清潔に保ちたい。
食材のカスはクエン酸水で落とすときれいになる。ひどい汚れはポリ袋に入れて浸け置きしてから。
(1)クエン酸水を作る(水200㎖にクエン酸5gが目安)。カゴ全体にまんべんなくスプレーする。
(2)スポンジで汚れをこすり、落ちたら水で洗い流す。汚れがひどければキッチンペーパーの上からスプレーし、時間を置く。
道具
左から
●スポンジ
ザラザラ面のほうが汚れを落としやすい。
●クエン酸
アルカリ性の汚れを中和させて落とす。殺菌効果もあり。
[キッチンの壁]
調理で使った油が飛び跳ねてこびりつく場所が壁。放置すれば取れにくくなることも。
浸け置きができない壁などは、キッチンペーパーに洗剤をスプレーし、貼りつければ簡単。
(1)キッチンペーパーにアルカリ電解水をスプレーする。壁に直接スプレーすると液が垂れ、跡が残る場合もある。
(2)こびりついた油部分にペーパーを貼りつける。液が足りないようなら、再度、汚れの上からスプレーする。
(3)乾かないようにラップをペーパーの上に貼りつけ、浸け置きの状態にする。2~3分放置しておく。
(4)ドライヤーをラップの上からあて、こびりついた油を緩ませる。ラップごとはがし、水拭き、から拭きする。5分で完了。
道具
左から
●ラップ
貼りつけるだけで洗剤の乾燥防止になる。
●アルカリ電解水
油など酸性の汚れやタンパク質汚れに。
●キッチンペーパー
洗剤類が垂れたり乾いたりしないように、湿布の役目をする。
\厄介な油汚れも簡単に取れます。/
(column)ヘアコンディショナーでレンジフードのつやをキープ。
ヘアコンディショナーに含まれる成分には、つやを出す効果が。タオルに小指の先ほどの量を出し、よく揉む。
油汚れを拭き取ったレンジフードや戸棚の扉などを、コンディショナーを揉み込んだ面で拭くときれいな状態が保たれる。
(column)アルミホイルを丸めて置くだけ。気になるヌメリが防止できる。
排水口のカゴ類をきれいにしたら、水と反応して金属イオンを発生するアルミホイルを丸めて入れておくとヌメリ防止に。
『クロワッサン』1059号より