くらし

【山田ルイ53世のお悩み相談】夫が憎くすぐにでも離婚したいです。

お笑いコンビ髭男爵のツッコミ担当で、作家としても活動中の山田ルイ53世さんが読者のお悩みに答える連載。今回は家庭のことに非協力的な夫への憎い気持ちが止まらない女性からの相談です。
  • 撮影・中島慶子

<お悩み>

結婚24年目、中学生と小学生の子供がいる母です。夫が嫌いです。子供達が自立したら離婚しようと思っています。今は離婚して新たな出発が出来る日を心待ちにする毎日です。家事も育児もせず、私の仕事への理解もなく、夫は独身時代からの自分軸を変えず好きなこと三昧。家事と育児を一人で抱えるのも限界でフルタイムの仕事は辞めました。今は週2日程のアルバイトです。子供が自立するまではお金のためと我慢して生活していますが、毎日毎日嫌いな人間と居るのが苦痛で仕方ありません。暴力はありません。生活費も渡してくれています。しかし、二人の命を守るため必死で一人で頑張ってきて、ようやく一息つけるかなとなったら何食わぬ顔で、自分も子育てしてきたかのように良いとこ取りで子供と接する夫を見ると殺意さえ湧きます。「何もしてこなかったくせに!」と心の中で罵ります。この先の生活の不安や子供達から父親を遠ざける罪悪感で今すぐの離婚は躊躇います。が。毎日毎日嫌いな人間と顔を合わせなければならない苦痛はもう既に耐えきれなくなってきています。もう私はどうしたらいいのか、どうすればいいのか、わかりません。何かアドバイスがあればありがたいです。よろしくお願いします。

(かおり/女性/結婚24年目、中学生と小学生の子供がいる母です。フルタイムの仕事を辞め、今は週2日のアルバイトをしています。)

山田ルイ53世さんの回答

他人様のご家庭のこと。
そもそも筆者が口を出すのは筋違いですし、「夫が嫌いだ!」、「子供達が自立したら離婚しよう」、「今は新たな出発の日を、心待ちにする毎日」と畳み掛けるかおりさんの決心が、この先揺らぐようなことは無さそうです。

お怒りの原因の1つとして、「ようやく手が掛からなくなってきた途端、子供達と接し始めた」という“おいしいとこ取り”に余念がない旦那さんの振る舞いを挙げる相談者。
“殺意”まで抱くとは、何とも物騒ですが、
「子供達から父親を遠ざけるのは罪悪感がある」
と即座の離婚は踏み止まっておられる。
おそらく旦那さんとお子さん達の関係が良好だからではないでしょうか。
ゆえに、“余計にムカつく!”といったところでしょう。

他にも、過酷なワンオペ育児で限界を迎え、フルタイムの仕事を諦めざるを得なくなったこと、相談者が犠牲を払ったにもかかわらず、「自分だけ独身時代と変わらず、好きなことをしている」ことなども大きなわだかまりとなっているご様子。
いや、腹を立てるのも仕方がないと思います。

とは言え、一度話し合いはしてみるべきでしょう。
「あなたが嫌いだ!」
とストレートに伝えるか伝えないかは別として、
「もう一度、フルタイムで働きに出たい!」
と打ち明けてみるのも(まだご自身にそのモチベーションがあるのか、以前の職場に復帰出来るのか、あるいは、別の会社なのか……諸々定かではありませんが)良いかもしれません。
仮に下のお子さんを小6とし、自立したと判断する年齢を20歳と考えると、約8年後。
相談者が25歳でご結婚されているとして、25+24(年間の結婚生活)+8=57歳……離婚という決断が変わらぬのであれば、表立ってでも、水面下でも動き出すのは早い方が良いのかなと。
お子さん達がある程度成長した今なら、“共働き”といった形も模索できるでしょうし、来たる「旅立ちの日」に向けて、金銭面においても地力を付ける期間に充てられるのではと思うからです。

ただ1つ。
“殺意”とまで仰る、相談者の怒りや苛立ちが、子供達に伝わってしまうのは非常に拙い。
もう夫婦の関係は取り返しがつかないのであれば、それはそれで仕方がない。
旦那さんに対しては言いたいことを言い、相談者がやりたいことをやれる環境を整え、しっかり割り切ることが出来れば、おのずと心に余裕も生まれてくるはず。
いずれにせよ、お子さん達が受け取るご両親の愛情が、最大化される状態を作ることが最も気を配るべき点かと思います。
いや、筆者などに言われるまでもないでしょうが。

山田ルイ53世●お笑いコンビ、髭男爵のツッコミ担当。本名、山田順三。幼い頃から秀才で兵庫県の名門中学に進学するも、引きこもりとなり、大検合格を経て愛媛大学に進学。その後中退し、芸人へ。著書に『ヒキコモリ漂流記』(マガジンハウス)、『一発屋芸人列伝』(新潮社)、近著に『一発屋芸人の不本意な日常』(朝日新聞出版)。
 公式ブログ

この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう

この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう

SHARE

※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

人気記事ランキング

  • 最新
  • 週間
  • 月間