くらし

カメラマンの日置武晴さんがフランスで出会った暮らしの道具たち。

男性の道具選びには、彼らならではのこだわりがあるはず。偏愛する道具との出合いのきっかけやお気に入りのポイントを聞いた。
  • 撮影・森山祐子 文・重信 綾 撮影協力・AWABEES(TEL.03-5786-1600)

フランスで出合った日用品の背景や物語に惹かれます。

日置武晴(ひおき・たけはる)さん●カメラマン。1964年、東京生まれ。雑誌や書籍などの料理撮影を中心に活躍。著書に、『ぼくの偏愛食堂案内』(KADOKAWA)などがある。

年に一度はフランスを訪れているという日置武晴さん。バスティーユやバルジャックなど、さまざまな街でめぐり合った道具を愛用している。

「カトラリーやお皿といった食周りのものを探すことが多いです。蚤の市などの古いものも扱っているお店では、“いつぐらいに作られたものかな”“これでどういうものを食べていたんだろう”と、その道具の背景に思いを馳せながら選ぶのが面白い。家でカレーを食べる時に使うお皿も、まさか日本に来てカレーを盛られることになるとは思っていなかったでしょう(笑)。ストーリーがあることも日用品の魅力です」

仕事時に使うこともある編み目の美しいカゴバッグは、もともと、10年ほど前にフランスの雑貨店で見つけたひと回り大きなものがあったが、より手軽に持てるサイズが欲しくなり、日本で購入。持ち主の雰囲気によくなじんでいる。

「カメラをひょいと入れて持ち歩くのにちょうどいい。軽く、洋服もあまり選ばない感じがします。雨が入るので、天気のいい日にだけ使っています」

仕事道具のカメラも入る、モロッコ製の軽いカゴバッグ。

「フランスのマルシェかごとは違う質感が気に入りました」と日置さん。カメラは、ソニーの「α7」にツァイス社の35mmレンズをつけてコンパクトにまとめておくという。スリに遭わないよう、カメラ以外の貴重品はエコバッグに入れる。

オリーブ材のボードは絶妙な薄さが魅力。

ニースのマルシェで見つけたカッティングボードは、「他にはなかなかない薄さで使いやすい」。折りたためるブレッドナイフは、パリの老舗パン屋さん『ポワラーヌ』のもの。

皿を買うときは “径”を意識する。

「お皿の径を揃えると、たとえまったく同じものでなくともしまいやすいです」。舟形のはバスティーユ、中央はヴィルヌーブ・レザビニョン、奥はバスクの蚤の市で購入。

1セットずつ集めたフォークとスプーン。

シルバーのカトラリーは1セットずつ買うことが多い。心惹かれるのは、デコラティブではないシンプルなデザイン。ティースプーンは、先がやや尖った作りが特徴的。

『クロワッサン』1018号より

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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