くらし

物と記憶【編集部こぼれ話】

3月25日発売の『クロワッサン』最新号「いま住みたいのは、工夫のある家。」のこぼれ話をお届けします。
このスプーンとくれば、白砂糖、コンデンスミルクがセット。

今号では物づくりの町を訪ねて、新潟県は燕市に行ってまいりました。
写真のスプーンは何を食べる用か、わかりますよね?

自分が育った町は関東の田舎町で、近所にイチゴ畑がありました。あれは、うららかな陽射しの土曜午後。農家のおじちゃんは気前がよく、下校途中の子どもたちをつかまえて「好きなだけ摘んできな」と声をかけてくれた。ポケットに、鞄に、もうできるだけ。家に帰ったら、黄色い通学帽の裏地が真っ赤になっていて仰天したものです。

燕市にあるイチゴスプーンの製造元の〈ラッキーウッド 小林工業〉によると、このつぶつぶの配列が肝であるそう。「よく見ると並びが放物線を描いているでしょう。縦、横、整然よりも、このほうがつぶしやすいんです」(小林社長)。同社は、なんとこのイチゴスプーンを初めて考案した会社でもあるそう(特集記事も併せて読んでみてください)。

近ごろはあまり見かけなくなったイチゴスプーンですが、今年は久しぶりに取り入れてみるのはどうでしょう。自分などは、このつぶつぶの銀の面を見るだけで、それで押さえつけられつぶされていく、硬くて柔らかいあの独特の感触がよみがえってきます。最後に使ったのはもうずいぶん昔のことなのに、手が覚えています。(編集kh)

3月25日発売の『クロワッサン』1018号は「暮らしの道具・決定版。」

長年愛着のあるもの、便利なもの、見ているだけで心が和むもの。
日々何げなく使っていることも多いけれど、出合ったときや封を開けたとき、初めて「おろす」ときの、あの心躍る感じをふと思い出すと、またときめいたり。好きになる道具には、単に形や機能だけではない、“何か”が宿っているはず。そこで、こだわりを持つ人たちの愛用品、役立つ道具を集めました。
新たな、心躍る出合いが生まれるかもしれない一冊です。

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