くらし

返礼はタイミング、センスに配慮したいもの――西川勢津子(家事評論家)

1977年創刊、40年以上の歴史がある雑誌『クロワッサン』のバックナンバーから、いまも心に響く「くらしの名言」をお届けする連載。今回は、返礼マナーの心構えを胸に刻みましょう。
  • 文・澁川祐子
1978年10月10日号「生活の技術」より

返礼はタイミング、センスに配慮したいもの――西川勢津子(家事評論家)

礼儀作法というのは、相手によっても受け取りかたが違うため、どうするのがベストか、判断がむずかしいもの。本屋にマナー本が絶えないように、多くの人が正解を求めて悩み続けているテーマのひとつといえそうです。

そこで、これまで何度か紹介している家事評論家・西川勢津子さんの連載「生活の技術」から、今回は返礼のマナーをピックアップ。40年以上前の記事だけに変わっているところもあるのでは、と思いつつ読んでみました。

まずお返しには、いただきっぱなしでよいもの、いただきものに見合うお返しが必要なもの、きっちりせずともちょっと返しておきたいものがあり、<ときと場合によって千差万別>だと述べます。

香典や結婚祝いなどは一般にお返しが必要とされますが、それもまた、ときと場合によりけり。香典にしても働き盛りの人が亡くなった場合はお礼状だけ、もしくは<有意義なところに寄付をして、返礼に替えるのもスマートなやり方>とのこと。結婚祝いなどの吉事も、家に招いてごちそうすればよし、ごちそうしない場合は軽いお返しに留めると、かなり柔軟な対応を提案しています。

突き詰めていけば、やはり返礼の鉄則は、今回の名言にある「センスとタイミング」に尽きるといえます。

早すぎず、遅すぎず、ひと呼吸をおいて、相手の負担にならないお返しをする。それがうまくできれば悩まないのですが……。やはり杓子定規に考えず、自分なりに気持ちを形にすることが大事だという、基本の心構えを念押しされた結果になりました。

※肩書きは雑誌掲載時のものです。

澁川祐子(しぶかわゆうこ)●食や工芸を中心に執筆、編集。著書に『オムライスの秘密 メロンパンの謎』(新潮文庫)、編著に『スリップウェア』(誠文堂新光社)など。

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