とよた真帆さん、青山真治さんに聞いた、夫婦間で守るべきマナー。「相手の体力やメンタルを考え、労っていくことが夫婦のマナー。」
撮影・玉置順子 ヘア&メイク・青木理恵 スタイリング・小松千鶴 文・菅野綾子
「喧嘩の原因はいつも僕。彼女に対する不満は一切ありません」(青山さん)
「相手を変えようだなんておこがましいことは思っていません」(とよたさん)
2002年に結婚した、とよた真帆さんと青山真治さん。17年経った今でも、互いに口を揃えて「話をしていて面白い。一緒にいて飽きない」と言うほど良好な関係を保っているが、それでもごく稀に、喧嘩になることがあるという。
「原因はだいたいいつも僕ですね。一度、酒が原因で大病をしてしまったこともあり、飲みすぎたり、酔っ払って家でグダグダしていると大激怒されます。でも僕は怒り返さず、黙って家を出て行くんですが(笑)」(青山さん)
「そこに至るまでにはかなり我慢の積み重ねがあって、怒るのは100回分くらいが溜まった時です(笑)。ほろ酔いくらいで喋っているぶんにはすごく楽しいんですけど、結婚は共同生活なので一緒に決めないとならない事柄があるんですよね。泥酔されてしまうと、決まるものも決まらないし、話が一向に進まない。そうなると、コラー!となるわけです(笑)」(とよたさん)
青山真治はこういう生き物だと割り切ることにしたんです。
家を出て行っても、数日後にはふらっと帰ってくるという青山さん。そこで特に話し合いがもたれることもなく、自然と普通の生活に戻っていくそう。
「許しているわけではないですが、もう仕方ないなという感じ(笑)。私は酔っ払っている時間がもったいないと思うタイプなんですけど、監督は飲んでいたほうが良い作品が書けるという人。やっぱりアーティストなんですよね。思考が全然違うから、それに付き合っていると身が持たないとわかったので、ある時から“青山真治という人はこういう生き物なんだ”と割り切ることにしたんです。以来、自分の生活のリズムを妨害されない限りは、お酒のこともスルーするようになりました。体だけは心配ですけどね」(とよたさん)
相手と自分の違いを受け入れ、多少のことには目を瞑ることが、夫婦関係を円満に保つ秘訣。
「だから、相手を変えようだなんておこがましいことは一切思っていません。ただ、結婚生活においては歩み寄りが必要なので、それがないと私も怒ってしまうんですが、そんなことも過去に数回だけ。根本的に彼はとても優しい人なので、お酒以外で喧嘩になることはほぼありません」(とよたさん)
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