「冠婚葬祭の『冠』は、今では幅広い意味でのお祝い事と捉えられていますが、もとは成人式のことです。日本人は冠・婚・葬を人生の3大礼としてとても大切にしてきました。現代でも、こうした儀礼や行事のマナーにとりわけ気を使うのは、そのためです」
と話すのは、多方面でマナーの指導をしている岩下宣子さん。
何度経験しても自信が持てない、という人は意外に多い。それは、形式ばかりに気を取られているからかもしれない。
「マナーは本来、自分ではなく相手に恥をかかせないための思いやりです。意味を理解したうえでルールを知っておけば、気持ちに余裕が生まれ、相手に思いを寄せることができるはずです」