各方面で多彩な活躍を見せているきしくりさんの一押しは、スイートポテトの老舗『松蔵ポテト』。
「切り株状になっているブッセラという銘柄が好きで、20年近くのファン。私が頻繁に買うのを横で見ているので、息子が小学校の面接の時に“お母さんの好きな食べ物は?”と聞かれて、“ブッセラ!”と即答したほど。模範解答ではないけれど爆笑しちゃいました」
お手頃サイズなこともあり、ちょっとした楽屋の差し入れなどにはポテコロと、てまりポテトの詰め合わせをよく持参する。
「少し気取った場でも、これを出すとみんな和んでくれます。あとは作業に没頭する際など買い置きしておいて、お夜食にすることも。味はサツマイモの素朴な感じそのもので、煮詰まった時にトーストして温めて食べるとホッとしますね」
きしくりさんが甘い物を好む一方で、息子は小さいころから甘い物が苦手だという。
「子どもが生まれたらケーキを作ってあげようと道具を買い揃えたりしたのに本人が一切食べないので、その反動で私が欲するようになった部分はあるのかも。そのタイミングで出合ってしまったのが松蔵ポテトさんなのです(笑)」
息子は辛い物のほうが好みなのだそう。
「ファミレスでもグラタンやパスタじゃなく焼き魚定食をオーダーします(笑)。今は美大でデザインを学んでいますが、小学生のころ、彼に“お母さんの仕事って自称イラストレーターだよね”って言われたことがあって、自分では思ってもみなかったことに気づかされたりと面白い存在なんです。最近は久しぶりに個展をやったり、飲食店のアートワークをやったりと表現の形が以前と変わってきました。デジタルのテクニックでは息子にかないませんが、発想やセンスはいつまでも刺激しあえる関係でいたいと思っています」