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今さらすぎて、なかなか聞けない!? 2019年版・お金の常識Q&A。

お金の情報や制度は、経済や社会の変化に伴い刻々と変わっていきます。今、知っておきたいお金の常識を専門家の畠中雅子さんに聞きました。

文・生島典子 イラストレーション・山口正児

[保険Q5]年金は、70歳まで繰り下げ受給したほうが有利ですか?

A. 70歳まで年金を受け取らずに生活できる人は少ないです。

年金を受け取り始める年齢を遅らせると、1カ月あたり0.7%増額されるしくみが「繰り下げ受給」です。65歳から受け取る場合を100%とすると、70歳から受け取る場合は142%まで増えます。しかし、70歳まで公的年金を受け取らずに生活できる人は多くありません。繰り下げは1カ月単位でできるので、67歳11カ月まで働いて68歳0カ月から受給するなども可能。結果的に繰り下げがお得かどうかは、年金をいつまでもらったか(寿命)で決まるので、事前に判断できません。

老齢基礎年金の繰り下げ受給の増額率

繰り下げ受給を申し出た時点に応じて、月単位で年金額が増額される制度。増額率は、1カ月あたり0.7%。
繰り下げ受給を申し出た時点に応じて、月単位で年金額が増額される制度。増額率は、1カ月あたり0.7%。

[保険Q6]離婚しても、夫の年金の半分はもらえますよね。

A.婚姻期間中の厚生年金部分の最大半分。 それほど多くはないです。

離婚時の年金分割については、誤解している人が多いようです。夫が受け取る年金の半分ではなく、婚姻期間中の夫の厚生年金(報酬比例)部分の最大2分の1で、国民年金(基礎年金)部分は、夫と妻それぞれ自分の分を受け取ります。夫が受け取る年金が17万円(基礎年金7万円)だったら、自分も17万円受け取れると勘違いしている人もいますが、妻の国民年金に、婚姻期間中の夫の厚生年金の半分(2万〜5万円程度)が足されるくらいのイメージで、妻が想像している以上に少ない金額です。また、夫側も妻を扶養しなくなるので、加給年金はもらえません。

今さらすぎて、なかなか聞けない!? 2019年版・お金の常識Q&A。

[保険Q7] iDeCoって、やったほうがいいの? 50代から始めるのは遅いですか?

A.税金を払っている人にはメリットがあります。

iDeCoは、個人型確定拠出年金のことで、自分で老後資金を貯めるときに税制優遇される制度です。掛け金が全額所得控除になるので、収入を得て所得税・住民税を払っている人には節税効果があるのでやらない理由はありません。さらに通常約20%かかる利益に対する税金も非課税に。受け取るときにも税制面での優遇措置があります。50歳未満で始めた人は、お金を受け取れるのが60歳以降になり、50代で積み立てを開始した人は、加入期間によって61歳以降の受け取りに。60代前半はまだ働いている人が多いので、61歳以降の受け取りでも差し支えなければ、50代から始めても大丈夫です。

iDeCoとは?

● 個人が自分で老後資金を貯める制度
● 60歳までお金を積み立てる
● 税金が優遇される

[保険Q8]投資用マンションが年金がわりになると聞きましたが。

A.いろいろ経費がかかり、思っているほど手元に残りません。

不動産投資会社の営業員は家賃収入による利回りが良いと説明しますが、それが続くとは限りません。空室リスクがあるし、空室保証をつけると管理料が高くなります。管理費、修繕積立金は上がっていくし、20年も経つと、エアコンや給湯器などの交換・修繕費もかかります。また定年後に不動産収入があると所得が上がり、税金に連動して国民健康保険料や介護保険料がアップ。不動産投資は意外と出ていくお金が多いことを知っておく必要があるでしょう。

[保険Q9]老後資金は2000万円絶対必要?

A.年間の赤字額から自分の世帯の必要額を出しましょう。

「老後に2000万円必要」というのは、平均値に基づいて試算した金額で、自分の世帯の年間の赤字額がわからないと、本当に必要な老後資金はわかりません。まず、50歳以上の人はねんきん定期便で「老齢年金の見込み額」を把握し、老後の支出予想額と年金額から、毎月の赤字額を計算します。次に毎月の赤字額×12カ月と1年間の特別支出の額を足して年間の赤字額を出します。65~95歳までの30年で計算すると、年間の赤字額が50万円だと1500万円、100万円だと3000万円必要ということになります。

高齢夫婦無職世帯の家計収支(2018年)

(注) 1 高齢夫婦無職世帯とは、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯である。 2 図中の…

(注)
1 高齢夫婦無職世帯とは、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯である。
2 図中の「社会保障給付」及び「その他」の割合(%)は、実収入に占める割合である。
3 図中の「食料」から「その他の消費支出」までの割合(%)は、消費支出に占める割合である。
4 図中の「消費支出」のうち、他の世帯への贈答品やサービスの支出は、「その他の消費支出」の「うち交際費」に含まれている。
※総務省統計局『家計調査報告〔家計収支編〕2018年平均結果の概要』より

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