伝染性単核球症 (でんせんせいたんかくきゅうしょう)
原因と特徴
感染者とのキスなど、濃厚な接触によって伝染する感染症です。発熱やのどの痛み、リンパ節の腫れなどの風邪症候群に似た症状を引き起こします。感染から発症まで30〜50日ほど潜伏期間があり、多くの場合、全身のだるさや疲労感からあらわれはじめ、2〜3週間は症状が続きます。熱が39度近くまで達する、のどの奥に膿のようなものがみられる、首のリンパ節が腫れるなどの症状も多く、中には脾臓が腫れることもあります。ですが、誰でもこれらの症状すべてが出るわけではなく、リンパ節の腫れだけの人もいます。診断は血液検査で行われます。
治療
伝染性単核球症には特別な治療法がなく、症状の緩和として対症療法が行われます。発熱やのどの痛みには、アスピリンやイブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬などが使われます。症状が重い1〜2週間は安静に保つことが治療において大切です。その後1ヶ月は経過観察として通院する場合もあります。
受診の目安
のどの痛みが強い
水分や唾液が飲み込めないほど、のどに激しい痛みがあるときや、呼吸が苦しく声が出ないなどの症状があるとき、口が開かないときは、空気の通り道に影響が出ている可能性があるため、速やかな受診が必要です。また、飲食はできるものの飲み込むたびに痛みをともなう場合や、のどが痛むだけでなく発熱が続いていて、咳やくしゃみなど風邪のような症状をともなう場合は、近日中に内科や耳鼻咽喉科へ行きましょう。