「かつては40代、50代になるとショートヘアにする女性が多かったのですが、最近は長い髪を楽しみたいというかたが増えています」とNAOMIさん。それに伴い、髪のパサつきの相談を受けることも多いという。ダメージをおさえるためにサロンでのトリートメントやホームケアももちろん効果的であり、大切なことだが、「何より髪のコンディションを上げるためのメンテナンスのカットが大事です」と続ける。
「特に大人世代になると、髪の水分量が減って乾燥しやすい髪質に変化。白髪染めや紫外線によるダメージも加わり、きれいなツヤのある状態を保つのが難しくなります。さらに毛先に段差がつきすぎていると、それが散ってよりパサついて見える。そこでグラデーションというカットの技術で毛先の段差を少なく重くすることで、見た目が整い、髪の面を出してツヤ感もアップすることができます」
今回、NAOMIさんに相談した儘田典子さんも「長い髪を楽しみたい」と髪の長さをある程度キープしたまま、ツヤ感のあるヘアをリクエスト。
「まず、毛先を整えるようにグラデーションでカットしましょう。ハサミは横からパツンと入れることで毛先の厚みを残していきます。とはいえ、髪に動きを出すために多少のレイヤーは必要なので、なるべく低い位置で段差がつくようにカットしますね」
全体のシルエットをボブスタイルベースに整えたあとは、調整のカットを行っていく。このときも髪の表面の面を損なわないことがポイントだ。
「儘田さんは髪の量も多く硬い髪質なので調整のカットは絶対に必要。今回は内側を削ぐようにして表面にはハサミを入れずに、先ほどつくった面をキープします。毛先の厚みと表面の面。この2つが髪のツヤを出す秘訣です」