前髪がパカッと割れて決まらなかったり、パラパラとおでこに落ちる細い髪のせいで顔の印象が寂しく見えてしまったり……。加齢によって変化する髪質を、特に実感しやすいのが顔まわりだ。どうしたらいいかわからないからこそ、ただ伸ばしているという人も多く、寺本真里さんもそのうちのひとり。もともと髪質がやわらかくボリュームが出にくいことを気にして、前髪をつくったことがほとんどないという。そんな寺本さんに「今回は前髪をつくってみましょう」とNAOMIさん。
「髪が痩せて細くやわらかくなると、うねりや生えグセも強まってしまいやすいんですね。よく、年齢とともにクセ毛になったという悩みも聞きますが、それも髪のハリコシがなくなってきてしまうから。複合的なお悩みが発生しやすい場所なんです。そこでおすすめは前髪をつくること。おでこからこめかみ付近の髪の量感と厚みを増やすと、顔まわりの髪にボリューム感が出て余計なうねりもおさえられます。毎日のスタイリングも決まりやすくなりますし、何より華やかさがグンとアップしますよ」
NAOMIさんからの説明を受け、寺本さんは約20年ぶりに前髪のあるヘアにチェンジ。カットする前にポイントを聞くと「寺本さんの場合はおでこがやや狭く、髪が長くなると分け目から割れるクセがあるので、ある程度深めに、頭頂部に近い位置から前髪を分け取ります。この奥行きや長さなど似合うバランスは人それぞれですから、前髪をつくるときはよく相談するといいと思います」。
さらに今回は寺本さんの優しく上品な顔立ちを生かして、前髪のラインを曲線的なマッシュラインにカットしたそう。前髪の両端を丸く長く残すため、顔になじみやすく、自然な毛流れも生まれやすい。
「もし前髪を切ることに抵抗があるかたは、分け目をくっきりつけずに高い位置から髪を流すだけでも印象は変わります。デザインとしても今らしい雰囲気になってあか抜けるはず」
悩み解消だけでなく、印象も変わる前髪。ぜひ試してみてはいかが。