【中医師の幸井俊高さんに聞く】食べ物が飲み込みづらくて…、 舌も老化するのですか?
中医学の専門家に舌の健康維持や老化防止のポイントを教わりました。
撮影・黒川ひろみ 文・斎藤理子 イラストレーション・川野郁代
舌は内臓を映しだす鏡。舌をみれば体内の状態がわかります。
中医学の診察では、舌を丁寧に観察する「舌診(ぜっしん)」が、自覚症状のカウンセリングや脈をみる脈診と並び重要な意味を持つ。舌は内臓の鏡であり不調や病気のサインが迅速に出るため、舌を観察すれば体内の状態が見えてくるのだと、中医師の幸井俊高さんは言う。
「舌は表面が粘膜で、組織は3日ほどで新しいものと入れ替わる、新陳代謝が盛んな部位です。加えて粘膜が薄くその下を流れる血管の色や状態もよくわかるので、体内の状態が的確かつ敏感に反映されます。だから、舌をみれば、毎日変わる身体すべての状態をチェックできるんです」
舌診では、まず舌全体の形状、色、大きさ、乾いているか割れているかなどの表面の状態、舌苔の色と状態、舌の裏側の静脈の様子をみる。
「理想的な舌は、見るからに健康的で生き生きとしています。色は淡紅色から薄いピンク。適度な大きさと厚みがあり、動きもなめらか。触ってみると硬すぎず柔らかすぎず柔軟な感じがあります。舌苔は白くてほどよい湿り気があり、全体に薄く広がっている。裏側の静脈はうっすらと見える程度か、ほぼ見えないくらいです」
正常な舌の、表と裏の見た目の状態。
色:淡紅色から薄いピンク
形・厚み:適度な大きさと厚み
舌苔:白色、薄くて適度な湿り気
動き:なめらか
裏側:二本の静脈がぼんやり見えるか全然見えない
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