Vol.48 失神することがあります。【40歳からのからだ塾WEB版】
文・及川夕子 イラストレーション・小迎裕美子
失神の主な3タイプのうち頻度が多いのは「反射性失神」
聖マリアンナ医科大学東横病院失神センター(循環器内科)の医師、古川俊行さんによると、「失神」とは、血圧が下がったり、心臓の動きが悪くなったりして、脳に流れ込む血流が減ってしまい、一時的に記憶をなくす状態のこと。失神の多くは命に関わるものではなく、健康な人にも起こるもので、通常数秒から数分以内に意識は回復します。約4割の人は生涯のうち1度は失神を経験すると言われており、珍しい症状ではないようです。
失神には主に3つのタイプがあります。
①反射性失神:自律神経の一時的な乱れによって起こる。別名「血管迷走神経反射「神経調節性失神」と呼ばれることも
②心原性失神:心臓の病気(特に不整脈)が原因で起こる
③起立性低血圧:立ち上がったときに起こる
このうち、最も多いのが①の反射性失神で、寿命に影響しない危険性の低い失神と言われています。「初発は10代からみられ、よく起こる場面としては長時間立ちっ放しのとき。また、緊張など強いストレスを強く感じたとき、採血や突然の痛み(生理痛、腹痛など)がきっかけで失神してしまうこともあり、誘因となる刺激は、人によって違います」と古川さん。また、前駆症状と呼ばれる前兆があることが多く、顔色が悪くなる、脈が早くなる、冷や汗が出る、気分が悪くなる、目の前が真っ暗になる、頭が痛い、吐き気がするなどの症状が出る人もいます。
一方、高リスクとなるのは②の心原性失神で、何の前触れもなく起こり、緊急の治療が必要になることもあるそう。危険な失神の見分け方や③の起立性低血圧については、次回詳しくお伝えします。
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