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心臓の専門医に聞く、「心不全」のサインと心臓を守るためのQ&A

長寿国日本に忍び寄る「心不全パンデミック」という危機など、心臓の病への不安や疑問を専門医に聞きました。

撮影・中島慶子 文・及川夕子

日本医科大学 武蔵小杉病院 循環器内科部長 佐藤直樹さん
日本医科大学 武蔵小杉病院 循環器内科部長 佐藤直樹さん

心臓の病気のなかでも、心不全と聞くと、「重い病気」や「突然死」などをイメージする人も多いはず。実際はどうなのだろう。

「心不全になったら、すべてが末期的状態に陥るわけではありません。完全に治すことはできないものの、発症後も適切な治療を継続すれば、日常生活を普通に送ることができますよ」と、医師の佐藤直樹さん。

急性や慢性など病名の違いはどこから生じるのか?
心不全は病名ではなく、心臓の働きが低下した状態のこと。その状態に、急性と慢性があると考えましょう」
「慢性心不全」は、慢性的に心不全症状はあるが薬で症状が安定している状態。対して、もともと心臓病がある慢性心不全の人で症状が急に悪化した場合や、心臓病ではない人で急に心臓が悪くなり、心不全状態が現れた場合は「急性心不全」と呼ばれる。
「さらに言うと、心不全は心筋梗塞などの心臓病や高血圧、糖尿病、風邪などの感染症、アルコールなど、さまざまなものが絡み合って起こってくる病態です。そして、高血圧が原因なら、高血圧性代償性心不全、心筋梗塞なら心筋梗塞に伴う心不全と表現したりします。原因も病名もいろいろあるので、捉えにくいのかもしれないですね」

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