ダイエットコーディネーター・牧野直子さんに教わる、簡単に栄養バランスがとれるお弁当。
撮影・清水朝子 レシピ、料理・牧野直子
健康的に食べて痩せるために、昼食を見直すのは有効。
「勤めに出ている人は外食になりがちで、カロリーコントロールがむずかしい。自宅にいる主婦の場合も、つい間に合わせのもので、いい加減に済ませてしまうことが。そんなランチ状況を改善するために、お弁当を作ってみるのがおすすめです」
とは、簡単でおいしいダイエット料理を提案する料理研究家で管理栄養士の牧野直子さん。栄養的にも優れた弁当を作るためのルールを教えてもらった。
「バランスの取れたお弁当のコツは、まず、詰める料理の割合を覚えること。弁当箱の半分に、主食のごはんをふんわりと。残り半分の3分の1に、肉や魚などのタンパク源になる主菜。あとの3分の2に、野菜やきのこを使った副菜を2〜3種類。これが基本です。頭に入れておくと、献立も考えやすくなります」
弁当の栄養バランス黄金比
用意する弁当箱は、40代女性の場合、500〜600mlが目安。
「基本の詰め方をすれば、弁当箱の容量とカロリーは、だいたい同じと思っていい。500mlなら、約500キロカロリーということです。たとえば、揚げ物のおかずが入っていても、ほぼ500キロカロリーと考えて大丈夫です。弁当箱がないという場合、直径21cmの皿に同じ割合で盛りつけてみてください。500mlの弁当箱と同じくらいになりますよ」
量に換算するとおおよそ、ごはんが120〜130g、主菜が70〜80g、副菜が100〜150gに。
ここでは、素材や形の異なる4つの弁当箱をピックアップ。味のバランスもいい料理を詰めてもらった。
黄色い樹脂の弁当箱は、チキンカレーソテー弁当。ごはんには、カレーとの相性もいい、食物繊維が豊富なもち麦を混ぜて。
ステンレスの丸い弁当箱には、鮭の柚子こしょう焼き弁当を。鮭1切れを詰めやすく、早く火が通るよう3〜4つに切ってから調理する。
曲げわっぱに詰めた、豚肉のヨーグルトみそ焼き弁当には、常備菜の野菜を添えて。
最後は、寒い時季にうれしいスープジャーの弁当。肉や野菜のたっぷり入った具だくさんのスープにしたいなら500mlくらいの大きめなスープジャーがおすすめだ。
栄養も味つけも豊かに、ササッと作れる工夫を。
栄養のバランスをよくするためのヒントはほかにもある。
「副菜の野菜は、色の濃いものと薄いものを組み合わせるようにするといいですね」
ブロッコリーやパプリカなどの緑黄色野菜にはβカロテンが多く、きのこ類は食物繊維が豊富、ねぎは身体を温めるなど、栄養だけでなく、弁当の彩りもよくなる。
さらに、味つけにバリエーションを持たせた料理を盛りつけることも考え合わせたい。
「みそ味、しょうゆ味、塩味、それに酸味。酸味には、すし酢やポン酢があると便利です。ちょっとオリーブオイルを加えるだけで、洋風にもなりますよ。それから、粒マスタードや柚子こしょうも揃えておくと、アクセントや目先を変えるのに使えます」
なるべく毎日作り続けたいから、手際よく準備できることも重要。そのためのアイデアにも注目を。
「メインの肉や魚は、前の日に調味料に漬け込んでおいて、あとは焼くだけにしておく。多めに作って、半分を冷凍するのも賢い方法ですね。副菜は、週末に常備菜として作っておき、青菜やブロッコリーなども多めにゆでて保存しておくと便利です。そのままでも、朝にちょっと味つけしてもいい。それに、同じフライパンで次々と焼いたり、グリルで一気に調理するといった、手順でできる時短もあります。もちろん、前の晩のおかずを取っておいても」
これを食べていればグングン痩せるというものではないが、バランスの取れたランチは、よけいな間食を避けるためにも役立つ。とくに40代以降なら、必要な栄養をきちんと摂ることが、痩せやすい身体の基礎を作ってくれる。
「弁当箱という一定のサイズを目安にすることで、自分の食べているものの量と内容をチェックしやすくなるでしょう」