Vol.33 体のあちこちが痛みます。【40歳からのからだ塾WEB版】
この痛み、線維筋痛症かも?と思ったら……
線維筋痛症は、予備群も含めると、日本国内には約200万人の患者さんがいると推定され、患者の8〜9割は女性です。しかし、「実際に診断される人は1万人前後。重症の方だけが受診していたり、正しく診断されていないケースも多々あると思われます」(村上さん)。多彩な症状が現れることから、なかなか診断がつかず、さまざまな科を転々とする人も少なくないようです。
長期にわたり全身の筋肉や関節が痛い場合や、痛みの程度がどんどん強くなる、鎮痛剤が効かない痛みが続いているなどの場合には、きちんと診察を受けましょう。
「診断の際は、全身の圧痛点(下図)を確認し、疲労感や睡眠障害、精神症状など痛みに伴う症状を点数化し総合的に診断します。整形外科の病気やリウマチ性疾患など、ほかの病気が隠れていないかどうかの鑑別も必要です」(村上さん)。
診断に用いる圧痛点の位置
診断に用いる圧痛点の位置
3カ月以上続く全身の痛み、原因となるほかの疾患が認められないとき、全身にある18カ所の圧痛点を押して、11カ所以上が痛むときには線維筋痛症の可能性が高い。
出典:アメリカリウマチ学会 線維筋痛症分類基準1990