お湯に浸かって流すだけで、潤い美肌になるって本当ですか?
撮影・岩本慶三 文・後藤真子 イラストレーション・mollydomon
42℃の湯に5分浸かって、体を手洗い。
では実際、どのように入浴し、体を洗ったらよいのだろうか。高橋さんが実践しているポイントは、「お湯だけ」「つけおき」「手洗い」の3つ。
「お湯に体を『つけおき』して不要な角質をふやかし、なでるように触って『手洗い』します。でも、長湯はしません。長く湯に浸かると角層がふやけて水分が蒸散しすぎてしまうので、私は42℃の湯に5分くらい浸かります。まずかけ湯をしてシャンプーし、メイクを落として湯船に浸かり、湯の中で体を触って角質を落として出る、合計10〜15分くらいですね」
不要な角質を取り去るだけで、皮脂を取りすぎないことが大切。洗浄剤を使いすぎると、皮脂が取れすぎて肌が乾燥しやすいので注意したい。
「ただし、皮脂の多い部分は石鹼やボディソープなどの洗浄剤で洗っていいと思います。腋の下、背中、性器の周辺などです。頭も皮脂腺が多いので、私もシャンプーを使います。顔も皮脂の量が多く、メイクをしたなら化粧品は油性なので湯では落ちませんから洗顔料で落としてください。でも1日1回でOK。皮脂がちゃんと出て常在菌がもとに戻るのに12時間くらいかかるので、日に2度も3度も洗顔料を使うのはよくないのです」
石鹼等を使わないとなると、気になるのがニオイだ。「ニオイのもとは皮脂の酸化です」と高橋さん。通常、皮膚は自分の力で皮脂の酸化をくいとめる力を持っているが、加齢によって抗酸化力は衰える。「でも、皮脂はお湯で落とせますから、入浴する時間帯を考えればいいのです。夜に入浴しても翌日のニオイが気になるなら、朝さっとシャワーを浴びたらいかがでしょう」
家族で湯を使うなど、湯船の中で角質を落とすのに抵抗のある人は、湯から出て「手洗い」するといい。乾燥や肌荒れで悩んでいる人は、一度「お湯だけ洗い」を試してみてはどうだろう。
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