Vol.21 のどが詰まる感じがします。【40歳からのからだ塾WEB版】
- 文・及川夕子 イラストレーション・小迎裕美子
例えば、「食べ物が飲み込みにくい」「のどが狭くなったように感じる」「水を飲んでもつまり感が治らない」。こんな症状があり、内科や耳鼻咽喉科で診察・検査を受けても異常がないものを「咽喉頭異常感症」といいます。
今回は、のどの違和感があるときの病気の見分け方やどんな対処法があるのかなどについて、漢方専門医の渡邉賀子さんに、詳しく聞きました。
ヒステリー球とも呼ばれる咽喉頭異常感症
「咽喉頭異常感症」は、耳鼻咽喉科や内科で検査を行っても原因となる病気が見つからず、ヒステリー球とも呼ばれる「のどの違和感」が特徴です。
「異常なし」と言われても、確かにのどには違和感がある……。ほおっておいてもよいものなのかどうか、心配になりますよね。
漢方専門医の渡邉賀子さんによると、「咽喉頭異常感症」は、東西を問わず昔からあったものだそう。男性よりも女性に多く、東洋医学では「咽中炙臠(いんちゅうしゃれん)」(のどに何か物が引っかかっているような感じ)、「「梅核気(ばいかくき)」(梅の種がひっかかったような、という意味)と称されます。
自律神経のアンバランスやストレスが関係
咽喉頭異常感症は、心身のストレスによる自律神経のアンバランスから起こると考えられています。更年期に多くみられる理由は、女性ホルモンの低下により自律神経が乱れやすい時期のため。それに加え、40〜50代は、仕事での役職や親の介護などが重なったりして、ストレスも多い年代です。
「精神的に行き詰まると、敏感なところに不快症状が現れるというのはよくあること。ストレスを受けると自律神経のバランスが崩れて、交感神経が優位になることが多く、その結果、のどの過緊張や粘膜過敏の反応などが起こり、のどの違和感や圧迫感などの症状が出るのでしょう」と渡邉さん。
のどは、ストレスが現れやすい部分なのですね。最近、疲れやストレスがたまっていないかどうか、見直してみるといいかもしれません。
咽喉頭異常感症に対する臨床研究より
40〜59歳の症例が全体の約60%を占めた。自覚症状では“つまった感じ”が最も多く54.0%。半数以上の症例で2つ以上を訴えた。
出典:耳鼻と臨床30:1091〜1094,1984.
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