料理家・荒木典子さん、美姿勢をキープする日々の習慣は日本舞踊──「着物姿の美しい立ち居振る舞いを目標に」
撮影・黒川ひろみ 文・松本あかね
着物姿の美しい立ち居振る舞いを目標に
板張りの稽古場に常磐津が流れ、荒木典子さんが踊り始めた。日本舞踊を習って今春で丸3年。間近に迫った舞台に備え、稽古にも一層熱が入る。
「お腹をぐっと引いて。お尻もぐっと中に入れて、真下に腰を落として」、先生である藤間利弥さんの声がかかる。
日本舞踊では女性の踊りは常に腰を落とすのが基本。膝を深く曲げ、中腰の姿勢を保ちつつ上半身を起こすには、おへその下あたりにぐっと力を込める必要がある。そうしなければ、たちまち全体重が脚にかかり、膝が震えてくるのである。
「ベテランの方の踊りを見ていると、姿勢にブレがない。土台になる体幹が整っていて、首から上半身まで一体になって動く。だからきれいなんですね」
いつまでも背筋がピンと伸びた人でいたい
現在の凛とした立ち姿からは想像できないものの、40代初めの頃は歩くのもしんどく、腕もまっすぐ上げられないほど筋力がダウン。知人に誘われ、たまたま家の近くの空手教室に通ったおかげで基礎体力がつき、引っ越しを機に近所のカルチャーセンターで開催されていた日舞の教室に通うように。
「利弥先生ともそこで出会いました。着物を着たとき、美しく動けるようになりたくて。お稽古が終わると汗びっしょり。繰り返しの中で必要な筋肉がついていくのだと思いますが、続けていると所作が美しくなるという希望が持てるのは楽しいことですし、年を重ねるほど、姿勢の良さこそ若々しさに繋がると、利弥先生をはじめ踊りの先輩方を見ても思います」
上手になる=美しくなれる、女性にとっていいモチベーションになりますよね、とにっこり。どんなに忙しくても週に1回、欠かさず稽古に通う。
「仕事のあれこれも日常の憂い事も、先生の前に立ったらまったく考えない。ただ踊ることに集中する、そういう時間を週1回でも持つことがリフレッシュになるし、豊かだなと感じます」
日舞を習う場所もさまざまある。
「グループレッスンの所もありますし、見学や体験コースから始めて、まずはいろいろな先生の教え方や教室の雰囲気を見てみるとよいと思いますよ」
『クロワッサン』1162号より
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