【あなたの血管は大丈夫？】病気になってからでは遅いから、“血管年齢”検査を初体験！
更年期前後の女性が要注意なのが「血管年齢」。画像解析に強い「AIC八重洲クリニック」の循環器内科医・手塚大介さんに「血管年齢」についてあれこれ聞いてみました。
イラストレーション・いいあい 文・西村佳芳子
私たちは大丈夫？ 各人の悩みを抱え検査を初体験
右：ライターN「今はよくても将来が不安」
33歳、本誌や『Hanako』で執筆。オンもオフも外食が多く、血液検査では高コレステロールの判定から逃れられない万年ダイエッター。
中：編集者K「リスクは少ないはず？」
本誌編集者で、現在50歳。子どもの頃から痩せ形で低血圧。最近更年期のせいか、眠りが浅いのが悩みのタネ。揚げ物とお酒が大好き。
左：いいあいさん「思い当たる節、あります」
雑誌、書籍、広告などで活躍するイラストレーター、48歳。楽しみは三度の食事。コレステロールは気になるけど変わらなきゃダメ？
血管年齢とは
血液が流れる面（血管内皮）の機能の衰えが、すなわち血管の老化。動脈の詰まり具合や硬さを健康な人のデータと照らし合わせると、相当する年齢がわかる。1948年にアメリカ・マサチューセッツ州のフラミンガムで始まり、現在も続けられている長期的研究で数値化された「フラミンガム・リスクスコア」を使って特定する。
検査はどこで受けられる？
病院やクリニックによっては機器がそろっていない場合もあるので、必ず事前に確認しよう。「CAVI」「ABI」をキーワードに入れてネット検索してみると、いくつか候補が出てくる。血圧やコレステロールの数値、足の疾患などの不調がない人は保険適用外になるので要注意。人間ドックのオプションに用意されていることもある。
血管年齢の検査とは
血管の硬さを評価する「CAVI」、下肢の血管の詰まり具合を評価する「ABI」での血圧脈波検査、血管の状態を観察する超音波検査など。動脈硬化の早期発見ができる。
①血圧脈波検査
両腕両足首の脈波と血圧を同時に計測する。動脈の弾性を見る「CAVI」検査では心臓から足首まで脈波が伝わる速度で判定。下肢の動脈の詰まりを見る「ABI」検査では、腕と足の血圧を比較する。腕に比べ、足の動脈は細くなったり詰まったりする頻度が高い。
②超音波検査
頸動脈などにゼリーを塗り、超音波を当て、血管全体が分厚くなっていないか、プラーク（血栓の元になるもの）ができていないかなどの異常を検知する。「AIC八重洲クリニック」では頸動脈だけでなく唾液腺や甲状腺、リンパ節なども同時にチェックしてもらえる。
③血液検査
通常の血液検査と同様に行われ、血液中の中性脂肪やコレステロールの数値を見る。他の検査結果と照らし合わせ、何が血管年齢を上げているかの原因を探る。併せて検査できる場所を選ぼう。
血管年齢の結果はここを見る
計測した数値は、マシン内にある同年齢・性別の健常者のデータと比較。「CAVI」値は8.0未満なら正常範囲、8.0〜9.0未満が境界域、9.0以上なら動脈硬化が進行している可能性がある。6.0〜7.0なら年相応とされる。「ABI」値は1.0以上なら正常に近く、0.9以下なら詰まりの疑い、1.4以上なら石灰化に要注意。
動脈硬化が進むとどうなる？
一般的に動脈硬化は全身に満遍なく現れ、進行すると心臓の血管が狭くなる狭心症や血管が詰まる心筋梗塞になる危険が。血管壁にコレステロールなどが沈着し、プラークを形成。脳に血液を送る頸動脈のプラークが破裂すると血栓ができ、脳梗塞を引き起こすことも。
どんな人が要注意？
エイジングや過労、ストレスのほか、睡眠不足、運動不足、喫煙などの習慣が原因となる場合が多い。また、女性ホルモンが減るとLD
Lコレステロールの数値が上がる人が多く、リスクもアップ。さらに、「男性は40歳を過ぎると突然死の割合が増え、心筋梗塞や不整脈など血管に不調を抱えるケースが多いんですよ」と手塚さん。
血管年齢の加齢は止められる？
残念ながら、動脈硬化自体は不可逆的に進行。だが、血管の内皮機能を改善し、状態を保つことは可能だそう。「有酸素運動が効果的なことは論文にされています。推奨される食事はオリーブオイルやナッツを取り入れた地中海食。私のおすすめはブルーベリーや赤ワインなどのポリフェノールです」
『クロワッサン』1154号より
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