より着やすくなった、ヘビーじゃないPコート──大沼こずえの「ずっとの、おしゃれ」
毎月1つのテーマで、装う楽しさを再発見します。今月は「アウターは軽快に」(2)
撮影・葛川栄蔵(hannah)
こんにちは。スタイリストの大沼こずえです。
軽やかな冬アウターの後編は、Pコートをご紹介。こちらも前回のMA-1と同様、軍用服がルーツです。
MA-1はアメリカ空軍でしたが、Pコートはイギリス海軍。軍艦の甲板の上は風が強く風向きも変わりやすいため、はだけないように上前を簡単に左右チェンジできるダブルの前合わせになったといわれています。それがデザイン的なアクセントにもなり、着回しが利く防寒着として老若男女に愛される定番アウターに。
カジュアルウェアではあるけれど、ユニフォーム由来ならではのかっちりした雰囲気もあるので、どんなインナーにも合わせやすいのが特長。一方で、厚手のウール生地ゆえにどうしても重量があるため、着ると肩が凝るなどの理由で年々敬遠しがちになっている人はいるかもしれません。そもそも最近の日本の冬で、艦上のような過酷な寒さはあり得ないですしね。
というわけで今回は、ショート丈だったり薄手だったりポリエステルなどの混紡だったりと、“Pコートなのに軽い”ものを集めました。袖を通してみると、暖かさは充分なのに意外にも軽やか。人気のチェック柄やオリーブグリーン、注目のペールトーンカラーといったトレンドも揃っているので、今季のスタメン入りは間違いないはず。
『クロワッサン』1154号より
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