【ヘアスタイル変遷の歴史】バービーさん「どうせまた伸びると思って、いろいろトライしています」
撮影・中島慶子 文・嶌 陽子 構成・中條裕子
髪型を変えることで、気持ちをリセットして前向きに
きれいなウェーブに明るめのカラーが入った、スタイリッシュなヘアスタイルで取材現場に現れたバービーさん。去年の夏に出産、「産後は特に髪で遊んでますね」と話してくれた。
「妊活中や妊娠中はブリーチをいつもより控えていたので、産休中に気分を華やかにしたいという気持ちもあって。そうそう、去年の秋のお宮参りの時は、全頭ブリーチをして金髪にしたんですよ。白い着物を着たくて、かっこよく着るにはどんな髪がいいかなと考えていた時、夏木マリさんのヘアスタイルを見て、金髪がいいかも! って思ったんですよね」
その言葉どおり、白の着物姿に明るい金髪ショートがよく合っている(左ページ下写真)。その際、行きつけのところではなく、全く新しい美容院にトライしてみた、というのも新鮮だ。
「おしゃれなお母さんになりたい! と思ったので、若者が行くような原宿の美容院に行ってみたんですよ。それまでは自分で『こう切ってほしい』などと頼んでいたけど、その時はほぼ全部おまかせ。結果的に、ヘアスタイルだけで顔や全身のおしゃれ度が上がった気がして。服もこれまでと違うものを試したくなったし、自分の中のやる気や自信もアップしましたね」
〈私のヘアスタイル変遷〉
当時の気持ちや人生がヘアスタイルにも表れて
もともとファッションが好きなバービーさん。下の写真のとおり、これまで本当にさまざまなヘアスタイルやカラーを楽しんできた。
「高校生の時はいつも友だち4人くらいの髪を切ってあげてました。しかも全員、アシンメトリーの前下がりっていう同じ髪型(笑)。自分の髪型もその頃からよく変えていましたね」
ファッションの変化に合わせてヘアスタイルを変える時もあれば、その時のライフスタイルや気分に合わせた髪にすることも。その都度がらりと変わるスタイルには、当時の気持ちや人生のフェーズが反映されている。
「20代後半でサイドを刈り上げた時は、仕事もプラベートもギラギラしていた頃。その後、30代前半の頃、ドラマに出演することもあって、役に合わせた地味な黒髪のショートにしたんです。その時は、気持ちもおとなしかったですね。夫に出会って結婚するまでは、髪を伸ばしてフェミニンなモテヘアにしていたこともあります」
くるくると変わるヘアスタイルや髪の色は、本人はもちろん、周囲の目も楽しませてくれる。今までしたことがなくて、今後トライしてみたいスタイルは?との問いには、
「何年か前に(歌手の)ビリー・アイリッシュがしていたように、トップだけ蛍光グリーンのカラーを入れてみたい! ここ最近も、入れてみようかなと思ったんですが、かなり強烈な色なので決心がつかなくて。でも、いつかはトライしてみたいですね」
初めての美容院に飛び込みで入る時もあるというくらい、気軽に髪とつき合っているバービーさん。ヘアスタイルを変えるのは、一種のリセットの意味もあるという。
「ちょっと嫌なことがあったら、その時一緒に過ごしていた毛を切ることで邪気みたいなものを払えるかなと。そのうえで新しい髪型にすると、また新しく進むぞっていう前向きな気持ちにもなれるんですよね」
たとえ大満足のスタイルでも同じままでいるのは嫌い
とはいえ、これまでのヘアスタイルどれもが100%理想どおりだったわけではないはず。「似合わない」と落ち込んだりすることはないのだろうか。
「気に入らない部分があると、すぐに自分で切って手直ししていますから。そうはいっても、美容院からの帰りに『このスタイルが正解なんだろうか』と悩むことがないわけではないんです。でも、これはこれでちょっと面白いかもしれないとか、個性的かもって考えると、最終的にはこのスタイルもいいかなと思えてきます」
ヘアスタイルを変える時は「自分に似合う」ことと「個性的でおしゃれ」なことのせめぎ合いなのだそう。ただし、たとえその両方を満たしていたとしても、ずっと同じ髪型にしないのがバービーさんの流儀。
「飽きっぽいんですよね。ファッションもわりとしょっちゅう変えるんですが、髪はもっと自由度が高い。どうせまた伸びるしと思うと、いろんなスタイルに挑戦してみたくなるんです」
今回、これまでのヘアスタイルを振り返ってもらったところ、「あらためて見てみると、思っていたより当時の自分の気持ちや人生が髪型に出ている」という言葉が。では、今のヘアスタイルに表れている状態や心情とは?
「自分としては一番自然な状態。心に制約がない、解放的な気持ちかもしれないですね」
『クロワッサン』1142号より
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