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良かれと思い込んで続けている「体にいい食事」、見直してみませんか?

健康にいいと思っている食習慣も、実は勘違いしていたり、年齢とともに体質に合わなくなっていることも。ここで改めてアップデートしたい……!そんな思いをもつ方へ、医学博士の野口緑さんからのアドバイスをお届けします。

イラストレーション・堀 道弘 文・一寸木芳枝

健康のためにチーズとナッツをしょっちゅう食べている

ナッツは“油のカプセル”、チーズは他の乳製品とのバランスを

「アーモンド、くるみ、ピーナッツなど、ほとんどのナッツは高脂肪で、少量でも高エネルギー。言ってみれば、“油のカプセル”です。ごく少量にとどめておきましょう。お酒のおつまみとしてついつい手が伸びてしまいがちな人は、より注意が必要です。一方のチーズの1日の摂取目安量は30〜50g。6Pチーズなら2〜3個まで。でももし、その日すでに牛乳を1本飲んでいたならば、一切の乳製品はお休みと思ってください」

ビタミンの吸収率をよくするため、野菜は油で炒めて食べている

調理用の油は1日大さじ2杯の量が目安、油を多く摂ると内臓脂肪が増える原因に

「確かにビタミンA、E、Bは、油と一緒に摂ると吸収率が高まります。しかし、普段の食事で野菜と一緒に肉や魚などを食べていれば、もうそれでビタミンの吸収率をあげるのに充分な油脂が含まれています。ですから、野菜を炒めて食べる必要はなく、むしろ野菜にも毎回油を使うと、1日の必要量を軽く超えるでしょう。50代女性であれば、調理用油は大さじ2杯に。脂の多い食材を食べがちな人は、もっと少なくしましょう。必要量より多く油脂を摂ると、中性脂肪が高くなり、内臓脂肪が増えます。焼肉をたくさん食べた日は、翌日の食事や運動で調整してくださいね」

良かれと思い込んで続けている「体にいい食事」、見直してみませんか?

マヨネーズは低糖質なので野菜サラダの必需品

それは“野菜の天ぷら”を食べているのと同じです

「マヨネーズは半分以上が油で、残りはお酢や卵。つまりそれは、天ぷらの衣とそう変わらず、糖質よりも油脂の摂取量が気になります。レタスにマヨネーズをつけて食べれば、それは“レタスの天ぷら”。シンプルにオリーブオイルにレモン汁を混ぜ、手作りドレッシングをかけるほうが、食べる際に食材からオイルが流れ落ちるのでよいのですが、それでも油は量に注意を。おすすめは、トマトに塩、きゅうりやレタスに味噌など油を使わない食べ方です」

ビールは好きだが、健康のために風呂上がりだけにしている

脱水状態でのアルコールは血液ドロドロを引き起こす

「その飲み方は危険です!よく『サウナや温泉でたっぷり汗を流した後、喉が渇いているのをあえて我慢してからのビールが最高』という人がいますが、汗をかいている=脱水状態。そこに利尿作用のあるビールを一気に流し込むと、さらに血液から水分が流れ出て、血液はドロドロの状態に。それは、脳卒中を引き起こす危険性が高まるということ。サウナや温泉から出たらお水をたっぷり飲んで、ビールはその後にゆっくり味わいましょう」

良かれと思い込んで続けている「体にいい食事」、見直してみませんか?

ビールより太らないのでハイボール派

度数の高い蒸留酒なので、結局は中性脂肪に変わります

「ビールや日本酒などの醸造酒には糖質が含まれるため、糖が中性脂肪に作り変えられ、内臓脂肪を溜め込みます。では、糖質が少ないウイスキーや焼酎などの蒸留酒であれば大丈夫かといえば、そうでもありません。度数の高いアルコール成分は体内で分解される過程で中性脂肪に変わりやすいため、どちらにせよ太りやすくはなり、ウイスキーをソーダで割るハイボールもOKとは言い難いのです。ハイボールを飲むときはなるべく薄めを意識しましょう」

  • 野口 緑

    野口 緑 さん (のぐち・みどり)

    大阪大学特任准教授

    医学博士。生活習慣病予防、保健指導のエキスパート。著書に『健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと』(日経BP)。

『クロワッサン』1133号より

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