50代以降、食べ方を変えなければならない理由。高たんぱく、中糖質、低脂質で若返る食事
イラストレーション・おざわさよこ 撮影・MEGUMI スタイリング・奥田ひろ子(ルプル/にしおかさん) ヘア&メイク・原田なおみ 文・若山あや
若々しくいるための、3つの栄養素との付き合い方。
(たんぱく質)は意識してしっかり摂る!
日比野 臓器、皮膚、筋肉などを作るたんぱく質は、50代以降は積極的に摂りたい栄養素の筆頭です。にしおかさんは意識していますか?
にしおか 最近は毎朝、豆乳メーカーで大豆から豆乳スープを作って飲んでいて。大豆の栄養や成分を丸ごと摂れるし、濃厚で美味しいです。
日比野 良質なたんぱく質を摂っていて素晴らしい! 大豆にはたんぱく質と食物繊維、そして美肌ホルモンと呼ばれる女性ホルモンを補う“大豆イソフラボン”が豊富ですから。
にしおか なるほど! 豆乳スープ+朝ごはんを食べるなら、どんな食材を足したらいいですか?
日比野 植物性たんぱく質だけでなく、動物性たんぱく質もあわせて摂ることが大事なので、栄養バランスのいい卵がおすすめ。朝1〜2個食べておくと、たんぱく質から睡眠ホルモンのメラトニンが作られるため、いい睡眠にもつながります。ただ卵はビタミンCと食物繊維が摂れず、大豆にもビタミンCは少ないので、新鮮な葉物野菜を添えるといいですね。また、たんぱく源となる魚や肉も偏りなく取り入れることで、ほかの栄養素とのバランスもよくなるでしょう。
(糖質)は〝ほどほど〟。でもゼロは厳禁。
日比野 糖質を摂ると血中の血糖(グルコース)が上昇。血糖を下げるため、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。ところが加齢に伴って膵臓の機能も低下し、インスリンが出にくくなることも。そこで大事なのは、血糖値を上げすぎない“低糖質ぎみ”の食事です。
にしおか 低糖質……。“糖質制限ダイエット”が流行った時にやったんですが、結局食べるものがなくなってイライラしてやめました(笑)。糖質はゼロにしなくてもいいですか?
日比野 脳を動かすために必要なので、ゼロにしてしまうのは危険ですし、欠けていい栄養素はないので、何事もほどほどがベスト。血糖値を緩やかに上げるためには、例えば“ホールフード(丸ごと食べるもの)”と呼ばれる食品がおすすめ。白米よりロウカット玄米や胚芽米、発芽玄米、パンなら全粒粉やライ麦を使ったものを選ぶといいでしょう。
にしおか “ほどほど糖質制限”ですね。
日比野 そうです! ちなみに、うどんよりも蕎麦のほうが血糖値は上がりにくく、血管を強くする抗酸化成分ルチンも豊富。知り合いの若々しい女優さんたちは、よくお蕎麦を食べていますよ。
(脂質)は〝良質な油〟を意識する。
日比野 脂質は脳や細胞膜を作る大事な栄養素。ホルモンの材料でもあり、肌の乾燥も防ぐのである程度必要ですが、良質な油を摂るのがポイント。
にしおか たまに無性に欲して、コンビニのレジ横にある揚げ物を食べちゃうんです……(笑)。
日比野 わかります(笑)。摂りすぎはよくないものの、たまのごほうびはむしろ恒常性を保つためにいいと思いますよ。ただ、時間が経った油分は体の中で酸化しやすいものが多いので、習慣化は厳禁。また食用油脂のショートニングは、肥満やアレルギー疾患ほか、さまざまな健康リスクを引き起こすといわれているトランス脂肪酸を含むため、甘いものならショートニングをほとんど使わない和菓子がおすすめです。
にしおか よかった、最近は体のことを考えて和菓子を選んでいます。でも、良質な油とは?
日比野 MTCオイルやアマニ油、オリーブオイル、米油など。EPAやDHAが豊富な焼き魚やサバ缶でも良質な油が摂れます。ナッツはクルミひと握りで一日に必要なオメガ3が摂れるので、サラダにトッピングすると良いです。食材をちゃんと選び、良質な食生活を習慣化しましょうね。
これからの食事習慣、5つの心得。
・たまのごほうびも取り入れる。
・日中に、積極的に水を飲もう。
・簡単でもOK。とにかく自炊をベースに。
・ちょこちょこ食べより、2度のしっかりした食事。
・大事なのは、毎日の継続。
『クロワッサン』1133号より
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