「洗顔やクレンジングは何を使っても同じ」なんて大間違い。エイジング悩みに肌が変わる〝落とす〞ケア。
撮影・久々江 満 イラストレーション・谷本ヨーコ 構成&文・入江信子
“きちんと落とせなければ、後のケアも入っていきません。”
エイジング悩みをどうにかしようと、美容液やクリームといった“与える”ケアに一生懸命な人は多いはず。けれど、実は大人こそ“落とす”ケアが重要と、美容家・小林ひろ美さんは言う。
「年齢を重ねるにつれ、肌表面の角質が硬く厚くなって、つけたものの浸透を邪魔するため、与える成分が肌に入りにくくなります。でも、上手に落とせばみな入る! クレンジングや洗顔は後のケアを入れ込むためのベースづくりの役割を果たすアイテムなんです」
小林さん自身、43歳を過ぎた頃、肌の変化に直面したことをきっかけに、落とすケアを見直したという。
「美容液やクリームをラグジュアリーなものに変えてみても、いまひとつ肌実感が伴わない。いろいろ考えた末、余分なものを落としきれておらず、肌の土台ができていないから、後のケアが入っていかないのだと気づきました。
そこでクレンジングや洗顔にお金と時間をかけるようにしたら、肌が柔らかくなって与えるケアの効きが違う。キメが整ってツヤが出るし、毛穴詰まりやくすみもぐんと少なく。お手入れの軸を少し変えたことで肌がうまく回るようになったんです。
今ではどんなに酔っ払っていても、翌朝見ると、ちゃんと落とした形跡がある(笑)、というほど、落とすケアは大切にしています」
一言で落とすケアといっても、たくさんの商品がある今、どう選んだらいいか悩んでいる人もいそうだが……。
「大人の落とすケアはガッツリ取るというより、肌が柔らかくなって、『ローションをつけたかな』くらいのうるおい感で終わるのが理想。また、後のケアがきちんとなじむか、メイクの持ちがよくなったかというのも、肌に合っているかどうかの判断の基準に」
もうこれ以上、よくならないと思っていても、落とすケアを変えれば肌は変わる。その快感を味わってほしい。
【洗顔料】しっかり落としつつうるおいは残す。
汚れをきちんと落としながら、うるおいはキープする保湿型洗顔料をチョイス。「たっぷりの泡をクッションにして、摩擦を避けて洗うのが基本です。泡立てるのが難しいからと、痩せた泡で洗うのはNG。水と空気をたっぷり含ませて、豊かな泡をつくって。泡立てが苦手な人には、ポンプタイプがおすすめです」(小林さん)
Point
●Tゾーン→Uゾーンの順序で時間差洗顔。
泡は皮脂が多いTゾーンに先にのせ、汚れが少ないUゾーンは後に。泡をのせている時間を短くすることで、Uゾーンの乾燥を防ぐ。
●泡を手刀で落とせば、すすぎの時短に。
泡を洗い流す前に手刀でざっと落としておくと、短時間ですすぎが完了。すすぎは「これでいいかな」と思ってからプラス3回が基本。
1.プッシュすれば即、マシュマロ泡が出てくる、小林ひろ美さん開発の洗顔料。ロバミルク配合で保湿力が抜群! メイクも落とせる。
セブンフロー マシュマロ クレンジング ウォッシュ 145ml 4,950円(美・ファイン研究所TEL.0120・393・903)
2.モチモチと弾力のある泡が肌に吸いつき、不要な角質や皮脂を過不足なくオフ。透き通った美肌へと導く。乾きがちな敏感肌にも配慮した穏やかな処方。
ディセンシア フォーミング ウォッシュ 100g 3,300円(ディセンシアTEL.0120・714・115)
3.サフラン、バードックなどの植物成分満載。ボリュームのある泡、清々しい香り、しっとりなめらかな洗い上がりと、洗うことが楽しくなる洗顔フォーム。
バランシングネクター クリーム ウォッシュ 100g 4,290円(THREE TEL.0120・898・003)
4.フランス・ブルターニュの藻類由来の成分を取り入れて、落とすケアでエイジングケアも。ベルベットを思わせるしなやかな後肌にほれぼれ。
ソワン ノワール ネトワイヤージュN 125ml 1万1990円(パルファム ジバンシイTEL.03・3264・3941)
【拭き取り】余分な角質を優しく落とす。
肌の上に角質がたまって、ごわつきを感じるときは、拭き取りローションを活用するのも手だ。コットンに含ませて拭き取ると、硬くなった角質が落ちて、すっきりクリアな肌が手に入る。「とろみがあって感触が柔らかい、もしくは酸が入っていて、ゴシゴシこすらなくても汚れが落とせる製品を選んで」(小林さん)
Point
●ひらひらづけで刺激レス。顔全体をまんべんなく。
コットンに拭き取りを含ませ、中指に巻きつけて持ち、手の平をひらひらと返しながらつける。コットンが毛羽立ったら裏返して使う。
1.肌あたりとみずみずしさを両立すべく、2種類の成分をバランスよく配合。ふっくらクッション性の高い液で、刺激なく汚れや古い角質を取り去り、さえざえとした肌に。
スノー クラリファイア 150ml 4,400円(コスメデコルテ TEL.0120・763・325)
2.使用後のスルスル感と後のケアの浸透性のよさに感激。高分子ヒアルロン酸などの保湿成分を補い、厚くなった角質を和らげつつソフトに除く。
KANEBO カネボウ ラディアント スキン リファイナー 200ml 4,950円*3月10日発売(カネボウインターナショナルDiv. TEL.0120・518・520)
【スクラブ】摩擦を起こさない マイルドタイプを。
「刺激が強い」と、敬遠されがちなスクラブ。でも、使い方次第では、角質が溜まりやすい大人の肌の強い味方に。「まず摩擦で痛くならない、マイルドなタイプを選択。ゴシゴシこすって、『やっぱり傷む……』とやめてしまう人もいるようですが、肌にのせて軽く押すようにすれば大丈夫。頻度は週に1回くらいにとどめて」
Point
●クルクル禁止。押さえてなじませるだけで効果あり。
スクラブを顔全体に広げたら、クルクルと円を描かず、手でそっと垂直に押すと肌を傷めない。スクラブの粒子をつぶす感覚で。
1.大人の肌を意識したスクラブマスク。スクラブは天然コンニャク由来成分でつくられているから、感触は穏やか。クレイと独自の発酵成分の力で垢抜ける。
タッチャ クラリファイン クレイマスク 50ml 8,800円(タッチャ ジャパン TEL.0120・302・311)
2.包み込み感のあるクリームの心地よさを味わいつつ、ホホバ由来スクラブでマッサージ。死海の塩と砂漠の植物・ジェリコローズが肌にうるおいとツヤを。
フェイスポリッシャー リラクシング 200ml 4,950円(SABON TEL.0120・380・688)
【クレンジング】クリームやミルクでうるおいを死守。
「クレンジングは一定の厚みをキープしながら、なめらかになじみ、負荷をかけずにメイクを落とせるものを。肌と指の間のクッション性や洗い上がりのしっとり感を考えると、クリームタイプやミルクがいいでしょう」。顔全体にのばした後、皮脂が気になる、顔中央の“つまりゾーン”を念入りにクレンジングするよう心がけて。
Point
●汚れが目立つ小鼻は鼻を倒して丁寧に。
鼻の先端を片側に倒し、中指の腹で小鼻のくぼみの汚れをかき出す。小鼻の上の部分は案外人から見られているので要注意。
1.クリームタイプでもサッとのび広がり、"水"を感じる軽やかさ。日中受けた紫外線ダメージを修復、抑制するパワーもあり、肌力アップに貢献。
フラルネ アクアフォンデュ クレンジングクリーム 170g 3,300円*3月18日発売(アルビオン TEL.0120・114・225)
2.アンプリチュードからクレンジングラインが登場。クリームがオイル状に変わる密着力の高い質感とスクラブで、毛穴の汚れも一掃。それでいて後の肌はきめ細かい。
ジェントル クレンジングクリーム 120g 4,620円*3月1日発売(アンプリチュード TEL.0120・781・811)
3.厚みがあって柔らかい、絹みたいなテクスチャー。スルスルなじんで、リッチなのにベタつかず、保湿乳液でお手入れしたような肌に仕上がる。
センサイ AS クレンジングミルク 150ml 8,250円*4月5日発売(カネボウ化粧品 TEL.0120・518・520)
【マスク】ひと手間かけて角質を一気にオフ。
一度使うだけでも、古い角質、汚れがきっちり取れて、肌色がパッと明るくなるのがスペシャルケア=マスクの魅力。また、最近の落とすマスクは、短時間で終えられるもの、洗い流すものが多いから、面倒がなくラクな気持ちでトライできる。「パリパリと乾きすぎることなく、余分な角質や汚れを落とせるマスクがいいですね」
1.パウダーに水を加えてクリーム状にしてから肌に塗り、1分置いて流せばOK。酵素のピーリング作用で明るく輝くむき卵肌の完成。
エクスフォリエーティング クリア マスク 40g 1万4080円(シスレージャパン www.sisley-paris.com)
2.触れたくなるなめらか肌に導く秘密は、角層への「取り除く」&「整える」のダブルのアプローチ。マッサージの要領でらせんを描き、洗い流せば、ローションのなじみやメイクのりが格段に高まる。
ハーブマスク 120g 7,700円(メナード TEL.0120・164601)
『クロワッサン』1088号より