ヨガのポーズで簡単ストレッチ。疲れた体を整える、基本の3ポーズをマスター。
撮影・中島慶子 ヘア&メイク・浜田あゆみ(メランジ) 文・菅野綾子
ヨガでストレッチをすることには、さまざまなメリットがある、とヨガインストラクターのキコさん。
「ヨガで最も大切なのは呼吸。過度な負荷をかけてグイグイ伸ばそうとしなくても、息を吐く時の力を使えば無理なく体をゆるめていけるのです。さらに吸う息で内側から体を広げることで、加齢により体が硬くなっている大人の女性でも、けがをしにくいという利点が。また、呼吸が深まると副交感神経が優位になるので、体が温まり、リラックス効果も得られます」
まずは、ポーズを取る時に意識すべき基本の呼吸法の確認からスタート。ポーズに集中しすぎると、息が止まってしまいがちなので注意しよう。
〈 基本の呼吸法 〉
胸式呼吸と腹式呼吸を組み合わせた完全呼吸が基本で、鼻から吸って鼻から吐く。手を胸とお腹に当て、息を吸った時にどちらもしっかり膨らんでいるか確認を。息を深く吐き切ることを意識すると、体が伸びやすくなる。
【疲れた体を整える、基本の3ポーズをマスター。】
【戦士のポーズ 1】→ 血流を促進して足の冷えを改善。
「冬だけでなく、夏も冷房下などで冷えがちな足元。第2の心臓といわれるふくらはぎを刺激して、血液の循環をスムーズに。また、両手を上げることで、夏の湿度によって下垂した胃腸を元の位置に戻し、調子を整える効果もあります」
(1)足を腰幅に開く。
(2)左足を後ろに引く。
(3)左足はかかとと小指が床から離れないところに置く。息を吐きながら、右足を踏み込み、右膝を曲げる。左のふくらはぎがしっかり伸びていることを確認。
(4)息を吸いながら両手を上げ、そのまま3呼吸。左右の足を入れ替え、1〜4を繰り返す。
【片開脚のパピーポーズ】→ 水分代謝を上げて排泄を促す。
「膀胱とつながっている太ももの内側の筋肉を伸ばすことで排泄を促進。水分代謝がアップし、疲れにダイレクトにつながるむくみをケアします。また、上体をひねると背骨が刺激されるので、それに付随する内臓の活性化にも一役」
(1)両手両膝を床につける。手は肩よりやや前の位置に。
(2)左脚を真横に伸ばす。この時、小指側の足の縁をしっかり床につけると、腰につながる外くるぶしの下の部分が刺激されるため、腰痛の改善にも効果がある。
(3)息を吐きながら、お尻を右足の踵に落とす。そのまま3呼吸。左右の足を入れ替えて、1〜3を繰り返す。
【チャレンジ】
3の後、息を吸って2に戻り、左の脇下に右手を通して上体をひねる。
【三日月のポーズ】→ 胃腸の働きをスムーズに。
「胃の経絡が流れる前ももをしっかり伸ばし、両手を上げて内臓を引き上げることで疲れた胃腸を元気にします。また、鼠蹊部も刺激されるため、リンパに詰まった老廃物の流れがスムーズになり、足の冷えやむくみも解消されます」
(1)両手両膝を床につけた状態から、右足を両手の間に持ってくる。
(2)両手を右膝の上に置き、息を吸いながら上体を起こす。このまま3呼吸。
(3)できる人は息を吸いながら、上体を反らすように両手を上げる。そのまま3呼吸。左右の足を入れ替えて、1〜3を繰り返す。
『クロワッサン』1051号より