美しい表情と心身の健康をキープする、歯科医師・石井さとこさんの「くちトレ健康法」。
文・中込久理 ヘア&メイク・木下庸子(プラントオパール) イラストレーション・ハラアツシ 撮影・岩本慶三
ドクター石井健康法(3)二重顎や首のシワ対策に「下唇ふー」エクササイズ。
スマホばかり見て下を向く時間の多い生活は、顔のたるみや二重顎、首のシワの原因になります。これを改善するのが、顎にあるオトガイ筋と首にある胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)のトレーニング。
「まず、両肩を開いて姿勢を正し、お腹を締めるようにします。天を見上げるように顔を上に向け、下唇を突き出して息をふーっと吐いてください。このとき、なるべく息が顔にかからないように注意しながら真上に吐くのがコツ。
これを3セット、1日1回続けてみてください。慣れてきたら、気がついたときに1日何度やってもOKです。朝これをやるとリフレッシュ効果もあり、むくみの改善にも一役買いますよ」
1.姿勢を正し、肩や首に力を入れずリラックス。
2.舌唇を突き出し、息を真上に思いきり吹き切って。両手を胸に当てると、やりやすくなります。
ドクター石井健康法(4)「うさ耳ひっぱり」で耳周りの筋膜をほぐす。
寝ている間、ストレスや疲れなどで、歯のくいしばりや歯ぎしりが気になってくる女性が増えています。
「耳の前には咬筋や大頬骨筋(だいきょうこつきん)、小頬骨筋など顎関節(がくかんせつ)につながるいくつかの筋肉のつなぎ目があります。これらの筋肉や筋肉を包む筋膜に緊張した状態が続くと、歯のくいしばりなどの原因に。
凝った筋膜を簡単にゆるめることができる方法が“うさ耳ひっぱり”です。耳の上部を両手でつまんで斜め上に10秒引っ張り、そのまま数回クルクル回すだけ。わたしも仕事の合間に気づいたら耳を引っ張ってリフレッシュ。疲れた目をすっきりさせる効果もあるので、寝る前も忘れずにやっています」
耳を指でつまんで、斜め上に軽く引っ張ります。
引っ張った耳を後ろ回しに5回ほど回します。こうするだけで、耳の前にある筋膜が伸びて気持ちいい!
ドクター石井健康法(5)加齢で下がる舌の位置を「レロレロ」発声で正す。
話す機会の少ない生活は舌の筋肉を低下させます。
「本来、舌の先端は上前歯の裏についているものですが、年齢を重ねると舌筋(ぜっきん)の力の低下などにより下がってしまいがち。この状態が続くと、しゃべりにくく、誤嚥(ごえん)や口呼吸の原因にもなります。
このエクササイズは、舌を正しい位置に矯正するためのもの。舌を出して“レ”、舌を上顎につけながら“ロ”と数回連続して発音してください。舌筋を意識して、声を出しながら行うのがポイントです」
日本語で使うことが少ない「L」と「R」の発音を取り入れたエクササイズ。舌を出して「レ」、上前歯の奥に舌をつけて「ロ」を発声します。
【ほかにもこんな健康法をやっています!】
ドクター石井健康法(6)全身の筋肉を鍛えて心と体のバランスを整える。
自分が楽しいと思えるトレーニングでなければ続けることができないと石井さん。
「20年以上、診療後のランニングを続けていますが、走っているとリラックスできるし、本当に楽しい。週に1度のパーソナルトレーニングではプロの指導のもと体の可動域のチェックや筋肉運動ができて、全身のメンテナンスに役立っています。
仕事では体より頭を使うので、筋肉を鍛えることで心身のバランスが整うのです。スタミナもつきますし、集中力も上がります。でも、疲れているときに無理は禁物。休むことも大切ですね」
ダンベルを使ったトレーニングで筋肉を鍛え、バランスのいい体の動かし方が身につきます。
『Dr.クロワッサン あなたも、すぐできる! 名医の健康法』(2019年9月28日発行)より。
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