内臓脂肪と皮下脂肪はどう違う? 怖いのはシニアに多い内臓脂肪肥満だった。
文・日高むつみ イラスト・松元まり子
【内臓脂肪】
腹筋の内側、臓器を覆う腸間膜に蓄積されるのが内臓脂肪。内臓の隙間を埋めるように腹腔内に詰まった脂肪が、血圧、血糖値、血液中の中性脂肪の数値を悪化させ、その影響が全身に。
【皮下脂肪】
皮膚と腹筋の間、ドーナツ状に取り巻いて見える部分が皮下脂肪で若い女性に多く見られる。女性ホルモンを作る働きがあるため、ある程度の皮下脂肪は女性にとって必要不可欠。
●内臓脂肪は女性ホルモンの低下とともにつきやすくなる。
●45歳を過ぎたら特に注意。
体脂肪は、内臓脂肪と皮下脂肪に2分される。内臓を覆う腸間膜につくのが内臓脂肪、皮膚と筋肉の間につくのが皮下脂肪だ。
内臓脂肪の蓄積は命に関わる危険につながるため警戒が必要で、皮下脂肪はエネルギーの貯蔵庫であり寒さや衝撃から身を守るもので、ある程度は必要となる。
内臓脂肪は、血圧や血糖値の上昇、脂質異常を引き起こし、これが進行すると動脈硬化から心筋梗塞や脳梗塞を発症。糖尿病や脂肪肝のリスクも高まる。
最新の研究では、がんや認知症の発症に深く関わっているという報告も。女性は閉経が近づき女性ホルモンの分泌が減ると内臓脂肪が増加。健康で長生きしたいなら、45歳を過ぎたら内臓脂肪を蓄積させないため糖質制限は必須なのだ。
見た目も少し違います!
・ウエスト90cm以上は要注意。
・がんや生活習慣病の原因に。
・本来は内臓を固定する役目。
●りんご型体型
腹腔内に溜まった内臓脂肪のため腹部がせり出して、りんごにたとえられる体型に。シニア女性の場合、下腹部にある子宮や卵巣周りにも蓄積するため、脂肪が臓器を圧迫して、便秘など腸の異常も引き起こす。
【皮下脂肪】
・女性ホルモンの原料として、皮下脂肪はある程度必要。
・下腹部を守る役目がある。
●洋なし型体型
皮下脂肪は体全体に蓄積するが、女性の場合は特に下腹部から腰の周り、太ももに蓄積。下半身が洋なしのような形になる。これは妊娠・出産に備えて子宮と卵巣を支え守るためで、女性ホルモンの材料としてもある程度必要。
『Dr.クロワッサン 内臓脂肪を3週間で落とす』(2019年12月27日発行)より。