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感染症の専門家に聞く、インフルエンザの予防と対策。

毎年、冬に向けてじわじわと流行り始めるインフルエンザは、健康の難敵。対抗するにも、まずは敵を知らなければ! 都立駒込病院 感染症センター長の今村顕史さんに伺います。

イラストレーション・木下綾乃 文・黒澤 彩

罹ってしまった!? どうしたら いいだろう……。

インフルエンザかもしれないと思っても、すぐに病院に駆け込むのはちょっと待った! 発症した直後だと、正確な検査結果が出ないことも。症状が現れて、6〜12時間後に検査をするのがベスト。また、検査の精度が、よくても約90%程度ということも心に留めておきたい。結果が陰性だったとしても、10人に1人程度は感染している可能性があるので油断は禁物。

検査がマイナス(陰性)なことが、インフルエンザではないという証拠にはならないのです。それらしい症状があれば、検査結果によらずインフルエンザとして対処したほうがいいでしょう」

症状が軽ければ、薬を飲まなくても安静にしていれば数日以内で回復することが多い。高熱が長く続いてつらい場合、一日でも早く治したい場合は、タミフル、ゾフルーザといったインフルエンザ薬を処方してもらう。

「薬を服用するなら発症後48時間以内が効果的とされています。検査のタイミングも考えると、発症して2日目に医療機関を受診するのが理想的です

薬の効果は発熱を1日短くする程度なのだという。普通の風邪と同じように、免疫の働きを助けるべくしっかり休むこと、水分補給と、食べられる範囲で栄養を摂ることも忘れずに。そして、熱が下がっても、すぐに会社へ行かないこと。ガイドラインでは子どもが登校できるのは発症から5日以上、解熱してから48時間以上が基準。成人もそれに準じると考えていい。

「罹ったら、人にうつさないように細心の注意を。予防するための心がけと、うつさないための心がけ。インフルエンザ対策には、その両方が大切です」

感染症の専門家に聞く、インフルエンザの予防と対策。
感染症の専門家に聞く、インフルエンザの予防と対策。

今村顕史(いまむら・あきふみ)さん

都立駒込病院 感染症センター長。一般感染症、HIV感染症が専門。インフルエンザなどの感染症の診療をしながら、正しい知識を伝えている。

『クロワッサン』1008号より

03 / 03

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