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感染症の専門家に聞く、インフルエンザの予防と対策。

毎年、冬に向けてじわじわと流行り始めるインフルエンザは、健康の難敵。対抗するにも、まずは敵を知らなければ! 都立駒込病院 感染症センター長の今村顕史さんに伺います。

イラストレーション・木下綾乃 文・黒澤 彩

予防接種とは、どんなもの?その意味について。

よく、インフルエンザの予防接種をしたのに罹ってしまうケースがある。だからワクチンなんて意味がないという人は、少し誤解しているかもしれない。

「予防接種は、インフルエンザに罹ることを防ぐものではなく、罹ったときに重症化するのを防ぐためのもの。ワクチンを打ったからといって、感染しないというわけではありません」

脳症、重篤な肺炎など命にかかわるような症状を起こさないためのものと理解しよう。

毎年10月からワクチンを接種できる。1回分のなかにA型とB型2本ずつ、計4本のワクチンが入っているのだが、先に触れたとおり、A型は特に亜型が多いため、その年の流行予測に基づいた2本が選ばれているとのこと。

世界全体で見てみると、毎年、インフルエンザの流行は南半球からスタートする。日本では、その年の南半球で流行した型や前年のデータなどを参考にしつつ、夏ごろにはその年のワクチンを決め、製造し始めるのだという。

「予測の正解率はまずまずといったところ。インフルエンザが大流行する時季は受験シーズンでもあり、毎年問題になります。100%当たる保証はありませんが、家族に受験生がいたり、仕事を休めないという人は、ワクチンを打っておくことをおすすめします

予防接種のタイミングにもコツがある。ワクチンは打ってから効果が出るまで2週間ほどかかるので、大きな流行になる前、12月半ばまでには接種を受けたほうがいい。まだ大丈夫とのんびりしていると、あっという間に大流行し、ワクチンが効果を発揮するより先に感染・発症してしまうおそれも。

感染症の専門家に聞く、インフルエンザの予防と対策。

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