9歳の兄の死を見た6歳のロブにとってクレオは兄とのつながりだった。クレオとの時間がロブの心を癒やし、小さな守護者のようなクレオとの生活でヘレンさん自身も生きる力を取り戻した。
「クレオは24年ほど生きて、私たち家族の傷を癒やす役割を果たした頃に最期を迎えたの。ロブが『これでサムとのつながりが終わったね』というのを聞いて、私はこの本を書こうと決めたわ!」
原書『Cleo』がオーストラリアで出版されたのは2009年。今も家に猫がいるかどうか、とても気になっちゃう……。
「この本を書き始めて半年くらいで私は乳がんになったのね。妹が世話をしにきてくれて、少し散歩に出たらペットショップに素敵な猫がいたと教えてくれたの。体調が悪いけど見に行ったら、猫のほうから手を差し伸べてきたのよ」
Jonahと名付けられたその猫はヘレンさんが執筆するとき膝の上に座らせないとニャーニャー抗議するらしい。『クレオ』の執筆にも少なからず影響を及ぼした。