【お礼編】シーン別で考える、失敗が許されない大切な手紙の書き方〈文例集〉。
文・石飛カノ
【お礼・仕事関係のお付き合いの相手に】表現のニュアンスに注意し、互いの仕事の発展を願う。
ものを贈られたとき、お祝いしてもらったとき、お願いをきいてもらったとき。
「そんなときはできるだけ間をおかず、感謝の気持ちを込めて手紙を送ると相手との心の距離が縮まります。先方によかったと思ってもらえるだけでなく、“ありがとう”というよい言葉を手を動かして書き、目で見ると、そのよい気が自分の中にも入ってくるものです」
とはいえ、せっかく感謝の気持ちを伝えようとしているのに、つい流れで書いてしまいがちな場違いな常套句や、上から目線の言葉などを使ってしまっては台無しだ。
いつもの手紙でついやってしまう失敗を再検証。相手も自分も気持ちがよくなる、大人のお礼の手紙の書き方をマスターしよう。
《いつもの手紙》
1. 「させていただく」という表現は、本来、「○○させていただいてよろしいでしょうか」といった相手の許可を得る表現。この場合はへりくだりすぎる印象を与えるので不適切。
2. 仕事関係のお付き合いならば、「私」ではなく、「弊社」がベター。
3. 自分が支払う側に立つとき、「ご馳走する」というフレーズは少々上から目線。
4. 手紙はゆっくりとしたためるコミュニケーションツール。メールであれば「とり急ぎ」でもかまわないが、手紙の結びには不向き。
《できる大人の手紙》
1. 相手の時間をいただいたことに対して、まずはお礼を述べる。
2. 互いの仕事の発展につながるフレーズや、相手の役に立ちたいという気持ちをプラスすると好印象。
むらかみ かずこ●手紙文化振興協会代表理事。企業・自治体向けの研修や一般向け講座で手紙の書き方を幅広く指導。『できる大人の“一筆添える”技術』(中経の文庫)など著書多数。
『クロワッサン』975号より
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